ドライアイ

[No.3053] マイボーム腺機能不全(MGD)によるドライアイの症状を持つ患者の管理

マイボーム腺機能不全(MGD)によるドライアイの症状を持つ患者の管理:急に寒くなって空気も乾燥したためでしょうか、ドライアイによる違和感を訴えたり、物貰い(霰粒腫)を発症して受診する患者さんが続いています。これは眼瞼痙攣患者でも多いのです。このような患者さんではマイボーム腺機能不全がその下に潜んでいることが多いです。今日は私の推奨するマイボーム腺機能不全(MGD)によるドライアイの症状を持つ患者の管理を説明します。

はじめに

マイボーム腺機能不全(MGD)は、特に中高年の患者においてドライアイ症候群の一般的な原因です。MGDの効果的な管理には、マイボーム腺の機能を改善し、症状を緩和するための治療法の組み合わせが必要です。その一つのアプローチとして、温罨法の後にティーツリーオイルクレンジングとまぶたの衛生管理を行う方法があります。この文書では、私が推奨するこれらの方法について詳しく説明します。

温罨法

温罨法は、マイボーム腺機能不全(MGD)の管理において重要な治療法です。まぶたに熱を加えることで、マイボーム腺の分泌物(マイボーム)の流動性を高め、腺の閉塞を減少させます。以下は温罨法の手順です:

  1. 準備: 清潔で温かい(熱すぎない)圧迫物を使用します。温かい水に浸したタオルや市販の温罨法マスクが適しています。
  2. 適用: 温罨法を閉じたまぶたに510分間適用します。圧迫物が一貫した温度を保つようにします。
  3. 頻度: 症状の重さに応じて、112回この治療を行います。

ティーツリーオイルクレンジング

温罨法の後、の眼瞼縁洗浄にはティーツリーオイルクレンジングが有効です。ティーツリーオイルには抗菌作用があり、MGDに関連する細菌やデモデックスダニを減少させます。以下は手順です:

  1. 希釈: ティーツリーオイルを安全な濃度(通常510%)に希釈します。私は市販のティーツリーオイルクレンザー(当医院でも取り扱いあり)を推奨しています。目に沁みないベビーシャンプーでも代用できます。
  2. 適用: 希釈したティーツリーオイルをコットンパッドや綿棒に適用します。
  3. クレンジング: まつ毛の根元に焦点を当てて、まぶたの縁を優しく洗浄します。多少なら溶液が目に入ってもしみません。
  4. すすぎ: 洗浄後、残留オイルを取り除くために清潔な水でまぶたと眼をすすぎます。

まぶたの衛生管理

まぶたの衛生管理は、MGDの管理において重要です。まぶたのシャンプーは、マイボーム腺開口部を含むまぶたの縁を清潔にし、汚れを取り除くために特別に配合されています。

結論

温罨法とティーツリーオイルクレンジング、そして定期的なまぶたの衛生管理を組み合わせることで、中高年を含むMGD患者の症状を大幅に改善することができます。これらの方法は、マイボーム腺の健康を維持し、炎症を減少させ、ドライアイの症状を緩和します。最良の結果を得るためには、患者はこれらの方法を一貫して実行し、眼科専門医と相談して個別のアドバイスを受けることが重要です。

さらに詳しい情報については、YouTubeなどのプラットフォームでライム研究会(Lime Research Group)による教育ビデオやリソースを参照してください。これらのリソースは、MGDの効果的な管理方法について視覚的なデモンストレーションや追加のヒントを提供しています。

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