角膜疾患

[No.3076] 角膜上皮下水腫(corneal subepithelial hydrops)

corneal subepithelial hydrops角膜上皮下水腫について発生の原因と穿刺を含む治療法、予後について説明します。説明のある英語のページも教えてください。角膜内皮の損耗では水疱性角膜炎になることが多いですが、稀に単房性の水腫になることが有るようです。
角膜上皮下水腫(corneal subepithelial hydrops)は、角膜の上皮下に液体が蓄積し、視力低下や痛みを引き起こす状態です。この状態は、主に角膜の内皮細胞の機能不全やデスメ膜の破裂によって生じます

発生の原因:

角膜上皮下水腫の主な原因は、角膜内皮細胞の機能低下やデスメ膜の破裂です。これらは以下の要因によって引き起こされることがあります:

  • 角膜内皮細胞の減少: 加齢や外傷、眼内手術(特に白内障手術)などにより、角膜内皮細胞が減少し、角膜の水分調節機能が低下します

  • デスメ膜の破裂: 円錐角膜や角膜拡張症などの疾患により、角膜が薄くなり、デスメ膜が破裂することで、前房水が角膜実質内に流入し、浮腫を引き起こします。

治療法:

治療は、症状の重症度や原因に応じて選択されます。一般的な治療法には以下が含まれます:

  • 保存的治療:

    • 高張食塩水の点眼・軟膏: 浸透圧の作用で角膜内の余分な水分を排出し、浮腫を軽減します。
    • 治療用ソフトコンタクトレンズ: 角膜上皮の保護と痛みの軽減を目的として使用されます。
  • 穿刺療法:

    • 水疱の穿刺: 角膜上皮に形成された水疱を細い針で穿刺し、内容液を排出することで痛みを軽減します。ただし、感染リスクがあるため、無菌的手技が求められます。
  • 手術療法:

    • 角膜移植: 角膜内皮細胞の機能不全が重度で、保存的治療が効果を示さない場合、角膜移植が検討されます。全層角膜移植や角膜内皮移植などの方法があります。

予後:

角膜上皮下水腫の予後は、原因や治療のタイミング、患者の全身状態によって異なります。保存的治療で症状が改善する場合もありますが、角膜内皮細胞の機能が著しく低下している場合は、角膜移植が必要となることがあります。適切な治療と管理により、多くの患者で視力の改善が期待できます。

参考文献:

情報源
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