眼科検診

[No.105] 健康診断の網膜眼底写真で何が解るのですか?:

清澤のコメント:自由が丘清澤眼科では仙台市のPET画像センターから依頼を受けて、週に20人程度のカラー眼底写真の読影を引き受けています。年齢と性別、持病などの情報が両眼の眼底写真とともに毎週月曜に送られてきます。今朝も診察開始の前に20人(40枚)ほどの眼底写真の読影を終えました。その写真から何を探しているのかを簡単に説明します。

通常の眼底写真:眼底写真は、患者の網膜の現在の検眼鏡の外観を記録する視覚的な記録です。この場合、1枚の写真は医師のメモにある1000語の価値があります。これらにより、医師は患者の網膜をさらに検査する指示を出したり、フォローアップ時に網膜の変化を特定したり、同僚と患者の網膜所見を確認したりすることができます。画像センターの場合には眼科医からのコメントを患者さんに伝えてもらうことになります。

高血圧性網膜症:以前はこの高血圧性眼底変化の評価が眼底カメラ撮影の主な目的でした。高血圧や動脈硬化がある場合、網膜血管には狭細化や直線化などと呼ばれる高血圧性変化と、血管壁の肥厚を示す銅線動脈や銀線動脈と呼ばれる変化、それが進行すれば網膜の出血なども見られるようになります。漸進的な内科的な血圧管理と、重症の場合にはこのほかに眼底の変化に対する直接的な加療が必要ですから眼科専門医への受信が必要となります。

緑内障:眼底写真は、さまざまな眼科的状態で日常的に注文されています。たとえば、緑内障(眼圧の上昇)は、時間の経過とともに視神経の損傷(視神経乳頭陥凹の出現)と特有な視野欠損を生じさせる可能性があります。医師は連続した以前の検査時の写真も参照して、視神経の微妙な変化を評価し、適切な治療法を推奨します。初期には視神経乳頭の縁に戦場の出血を見る場合もあります。これで異常があれば、眼科受診勧奨として、数値で解析できるOCT(3次元画像解析装置)やさらに視野検査をまずは勧めるでしょう。

糖尿病網膜症:眼底写真は、黄斑浮腫や微小動脈瘤などの糖尿病性網膜症(糖尿病による網膜の損傷)の特徴を記録するためにも使用されます。これは、網膜の詳細は、直接検査するよりも立体眼底写真で視覚化する方が簡単な場合があるためです。初めての糖尿病診断から5年では網膜変化は乏しく、10年を過ぎると網膜変化は増えるといわれています。増殖性の変化が見られたら、蛍光眼底撮影(フルオレセイン血管造影)を行い、網膜光凝固を行う必要があるので、糖尿病網膜症が疑われたら迅速な眼科的評価と加療を考える必要があるでしょう。眼底写真で見える特定の網膜の目印はフルオレセイン血管造影では見えないため、眼底写真はフルオレセイン血管造影の解釈を助けるためにも使用されます。

本日は健康診断における眼底撮影の主な対象になる疾患を説明しました。眼底の変化はもちろんこれだけではありません。

参考ページ:https://www.opsweb.org/page/fundusphotography?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=nui,sc

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