ベンゾジアゼピン系の睡眠薬などで起きる薬剤性眼瞼痙攣に対しても使いやすい眠剤は何が良いかを若倉先生に私的に伺いました。私のブログ記事にもこの項目は既に記載が有りそうでしたが、探してみても記載のなかった項目なので本日はこれをまとめておきます。先ずはロゼレムを試すという事でしょうか?
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この記事では若倉雅登先生からの回答を整理しております。
推奨はロゼレム(ラメルテオン)と、オレキシン拮抗薬であるベルソムラ、デエビゴです。後2者は悪夢の副作用が多いとされますが、それまでベンゾを服用していた方、併用で用いた場合とくにその副作用が多いようです。私(若倉先生)もごくたまに(年2―3回)デエビゴを用いますが、小生には2.5mgで十分です。
なお、ゾピクロン(商品名:アモバン)、ゾルピデム(商品名:マイスリー)、エスゾピクロン(商品名:ルネスタ)は確かに非ベンゾジアゼピン系薬ですが、薬理作用はGABAA受容体作動薬であり、ベンゾジアゼピン系薬剤と同効薬です。これらは、依存性が軽減されたという触れ込みですが、マイスリー由来の薬物性眼瞼痙攣は、エチゾラムに匹敵する頻度で生じています(Wakakura et al: Neuroophthalmologu42:275-83,2018)。もちろん、このことはよく売れていることとも深い関係があるとは思いますので、依存性が高いからとは言えません。
また、ゾピクロンも被疑薬の19位にありました(若倉雅登:全身薬による眼瞼や眼球運動の障害。あたらしい眼科 35:1359-63,2018)。
エスゾピクロンはその後に普及してきたものですが、ゾピクロンの薬理学的特性を保持しているので、安全とはいいきれません。
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