眼瞼痙攣

[No.2487] 眼瞼けいれんはどのように分類されますか?:眼瞼けいれん診療ガイドラインから抜粋

眼瞼けいれんはどのように分類されますか

臨床の質問4(全体像・概念)

回答:明確な原因のない本態性、パーキンソン病や進行性核上麻痺などの疾患に伴い発症する症候性、向精神薬、抗不安薬などに起因する薬剤性に分類される。(1A 強く推奨される項目)

解説:本態性眼験けいれんとは、眼験周囲の筋、主として眼輪筋の間欠性あるいは持続性の過度の収縮により不随意的な開験が生ずる疾患で、他の神経学的、眼科的異常が原因となっていないものと定義される。

症候性の場合は、ジストニア以外の何らかの神経学的徴候を持っており、その疾患に続発するものをさし、眼験けいれんと同様の臨床症状をきたす。向精神薬・睡眠導入剤には抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬の3種類があり、抗精神病薬には副作用として、ドーパミンD2受容体遊断作用に起困する遅発性ジストニア、遅発性ジスキネジア、運発性アタキシアの記載がされている。しかし、抗うつ薬、抗不安薬には副作用としての記載はないが、ベンゾジアセビン系では薬剤性眼瞼けいれんを引き起こす危険性が報告されている5-7(薬剤についてはCO7に詳述される)。(文献は省略します)

 

清澤の追加コメント:治療開始前にご自分の眼瞼痙攣が上記3種の何れであるかを的確に知るのが必要です。原発性眼瞼けいれんならばボトックス注射や、ドライアイに対する対応などから考え始めます。私は、少量のベンゾジアゼピン系のリボトリールをボトックスに併せて処方し、原発性眼瞼けいれんをしのぐ場合もあります。

症候性眼瞼けいれんの場合には原疾患に対する治療を優先的に考えて、ボトックスは其のあととします。薬剤性眼瞼けいれんでは慢性的な中毒になってしまっているベンゾジアゼピン系の薬剤などを減らすことが必要です。しかし、なかなかそれを中止することは難しく、本人が決断して処方医の指示による漸減でなく、すっぱりと切ろうとすると具合が悪くなって救急搬送という事例も有りますから、減薬も注意して行う必要があります。

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