、治療はどのようにするのでしょうか。臨床質問36:(メカニズム・研究)から:
回答 眼験けいれんの症状の強さに左右差が生じることがある。眼瞼けいれんは基本的に両側性であるが、片眼発症で初発した眼瞼痙攣が、その後両眼性へ移行することもある。症状の強さに左右差がある症例に対しては、ボツリヌス治療において、症状の強い側の投与箇所を増やしたり、投与1か所あたりの用量を増加させたりする方法がある(2C:推奨の強さ(2):弱く推奨する。エビデンスの強さC(弱):効果(成果に対する確信は限定的である)。
解説
眼験けいれんは、基本的に両側性であるが、症状の強さに左右差が生じることもある。また。片眼発症で初発した 眼瞼の痙攣が、その後両限性へ移行することも多い。Grandasらは、約20%の患者で片眼性の発症だったが、4例(1.5%)を除いて2年ほどの間に両眼性に移行したと報告している。眼験けいれんに伴う着明や眼または眼周囲の痛みなどの感覚過敏も原則両側性であり、左右の症状に差が出る人はいるが純粋な片側性は非常に稀である。眼験けいれんにおけるポツリヌス注射については、初回投与時1.25~2.5単位/部位、1か月間に45単位を上限として投与できる♪。そのため、症状の強さに左右差がある症例に対しては、症状の強い側の投与所を増やしたり、投与1か所あたりの用量を増加させたりする方法がある。再投与時は初回投与量の2倍までの容量を使用できるため、初回投与時に効果不十分な部位に対して、再投与時に更に投与量を増加させることも可能である。
清澤の追加コメント:片側顔面痙攣は小脳動脈の同側の顔面神経に対する圧迫で片側の顔面神経の反射が亢進した状態。顔面けいれんは視床における神経の結合が変化して起きるジストニアの一種ですから病気としては別のものと考えるべきです。しかし、ボトックス注射で眼瞼を閉じる反射を弱めるという点で、範囲は違いますが、治療法は同じです。片側顔面けいれんでは口角など顔面の下まで痙攣が広が🄬ことが多いです。でも左右差が有るから片側顔面けいれんであるという訳ではなく、この臨床的な質問が出てくるわけです。医師でも片側に限られる片側顔面けいれんと、原則両眼に起きる眼瞼けいれんを区別しないで論ずる人もいます。ボトックス注射を受けられる患者さんは自分がそのどちらであるのかを担当医に教えてもらうと良いでしょう。
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