眼瞼痙攣

[No.596] 眼瞼痙攣治療を成功させる10のヒントやコツ(再掲)

眼瞼痙攣治療を成功させる10のヒントやコツ(再掲)

Ten Tips and Tricks for the Successful Treatment of Blepharospasm 清澤源弘、小町祐子、高橋真美 神経眼科 34 (4), 411-420, 2017日本神経眼科学会

清澤のコメント:以前に眼瞼痙攣治療を成功させる10のヒントやコツをまとめました。私は、ボトックスを使う眼瞼痙攣の治療を始めてひと月程度たったところで、もう一つ二つの治療手段が残されていないかを見返すために、このリストに当たるようにしています。

1)痙攣の状態の把握には「自己評価表(若倉表)」を用いる.原発性眼瞼痙攣でも薬剤性眼瞼痙攣でも多くが陽性を示す.瞬目テストは患者に「軽瞬」「速瞬」「強瞬」をさせる.治療歴の聴取もおこなう.

2)涙液の質と量の評価.ドライアイ症例には点眼治療とプラグ挿入が有効.

3)MRI画像診断:眼瞼痙攣は基本的に正常.片側顔面痙攣では血管圧迫がよく見つかる.

4)「眩しさ」「痛み」への治療として遮光眼鏡を処方.

5)眼輪筋へのボトックス投与.重症度と反応を診て,量を増減.副作用を十分説明する.

6)内服薬の併用,Clonazepam(リボトリール®)などの内服薬を投与する場合もある.「抑肝散加陳皮半夏」や「抑肝散」投与も可能.

7)症状を軽減する知覚トリックを利用する方法で,クラッチ眼鏡も有効.

8)最終手段として眼輪筋切除術がある.

9)医療者側からの積極的な働きかけが有効.「眼瞼・顔面けいれん友の会」の紹介や,「目と心の健康相談室」の利用もすすめる.

10)患者のニーズを把握するよう努めることが肝要.原点に戻り苦痛を除く工夫を怠らない.

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