眼瞼痙攣

[No.448] 眼瞼痙攣に対する最新の記述:カンスキー臨床眼科

清澤のコメント:今日はカンスキーの臨床眼科学の教科書における原発性眼瞼痙攣の記述を翻訳採録し、清澤のコメントを付してみます。

ーーーーー引用開始ーーーーーー

神経眼科

John F. Salmon MD、FRCS、FRCOphth 、 Kanski’s Clinical Ophthalmology 、2020年

良性の原発性眼瞼けいれん

序章

本質的な眼瞼けいれんはまれですが、苦痛を伴う顔面筋の特発性障害のです。重症の場合、眼瞼けいれんは一時的に患者を機能的に盲目にする可能性があります。一般的な原因には、ストレスや明るい光(羞明は一般的な付随症状です)があり、リラックスしたり話したりすることで緩和されます。睡眠中は発生しません。口腔顎ジストニアと組み合わせて、Meigeまたはブリューゲル症候群と呼びます。根本的な特定可能な原因として、特に大脳基底核疾患が時折ありますが、臨床的に典型的な症例ではその調査は必要ありません。

処理

治療を開始する前に、最も一般的には眼表面疾患とパーキンソン病に起因する反射性眼瞼けいれんを除外することが重要です。そのために脳神経系および末梢神経系の検査を実施する必要があります。

••着色された眼鏡はしばしば改善を提供します。(清澤のコメント:FL41 などの遮光眼鏡の市販品があります)
••眼表面疾患の治療が役立つ場合があります。(清澤のコメント:ヒアレイン、ジクアス、ムコスタの各点眼や涙点プラグも考慮できるでしょう)
••多種多様な薬による治療は、特定のタイプの眼瞼けいれんを改善することが報告されていますが、それらの有効性は期待外れです。(清澤は抑肝散加陳皮半夏、リボトリール、アーテンなども使うことがあります)
••ボツリヌス毒素注射(ボトックス:例えば、眼周囲3〜4部位に皮下注射される各2.5〜5単位)は、注射された筋肉の一時的な麻痺によって、ほとんど(95%)の患者に緩和をもたらします。通常、3か月ごとに繰り返し注射する必要があります。一般的ですが一時的な副作用には、眼瞼下垂、兎眼、ドライアイ、場合によっては複視などがあります。
••手術。現在、筋切除術(眼輪筋切除術)はめったに行われていませんが、ボツリヌス毒素に不耐性または無反応の患者では考慮できます。(清澤は重症例では東京医科歯科大形成外科に依頼することがあります。それなりの効果が得られています。片側顔面けいれんに対して行われる微小神経圧迫解除のジャネッタ手術は三井記念病院の脳外科に個別に相談します。)

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