白内障

[No.3013] Scheimpflug(シャインプルーフ)の原理?

Scheimplugの原理とは何か?その原理を用いたScheinplugカメラとは何を見ることのできるカメラですか?。

(日眼会誌9号の巻頭言で栗本康夫先生が前眼部画像の話の中で、Scheimplug(シャインプルーフ)の原理に言及されていました。その意味が理解しきれなかったのでちょっと調べてみました。斜め下の航空写真を撮るときに全画面に焦点の合った写真にするには、図のようにレンズとフィルムを適切に傾ければ全体が鮮明な絵が撮影できるという意味でした。)

 

Scheimpflug(シャインプルーフ)の原理は、光学における焦点面の傾斜に関する法則で、もともとは航空写真の撮影技術として知られています。通常のカメラでは、レンズの焦点面と撮影対象(物体)の面が平行である必要がありますが、Scheimpflugの原理では、レンズを傾けると、画像平面、撮影対象の面をそれぞれ異なる角度で傾けて、全体的に焦点を合わせることができます。この技術は、被写体の一部が傾いている場合でも全体を鮮明に撮影することが可能になります。

この原理は、眼科領域では主に角膜の撮影や計測に応用される「Scheimpflugカメラ」で利用されています。Scheimpflugカメラは、角膜の形状や透明度、前房深度(角膜と水晶体の間の距離)などを3次元的に撮影・解析することができます。角膜や水晶体の断面を斜めから撮影しても、Scheimpflugの原理を使うことで正確な焦点が得られるため、通常の光学装置では捉えにくい詳細な構造を把握できるのが特徴です

具体的には、Scheimpflugカメラは角膜の形状を高精度に測定し、角膜の曲率や厚みの変化を観察することができます。この技術により、角膜の疾患(例:円錐角膜)の診断や、白内障手術の前に行う角膜形状の評価、角膜移植の適応判断などが可能になります。さらに、前房の深さや水晶体の位置、濁りなども計測できるため、白内障や緑内障の診断にも応用されています。

簡潔に言えば、Scheimpflugの原理を応用したカメラは、斜めからでも角膜や前眼部の精密な断面画像を捉えられるため、眼科領域において重要な計測ツールとして使われています。

 

先の答えで「Scheimpflug(シャインプルーフ)の原理は、光学における焦点面の傾斜に関する法則で、もともとは航空写真の撮影技術として知られています。通常のカメラでは、レンズの焦点面と撮影対象(物体)の面が平行である必要がありますが、Scheimpflugの原理では、レンズ、画像平面、撮影対象の面をそれぞれ異なる角度で傾けても、全体的に焦点を合わせることができます」と伺いましたが、実感としてわかりません。図を用いてこの点を分かり易く説明した記事はありませんか?

 

Scheimpflugの原理は、焦点面、レンズ面、および画像面がそれぞれ異なる角度で傾いている場合でも、全体にピントを合わせることができるという光学の原理です。この原理は、傾斜した被写体でもシャープに撮影できる方法として特に大判カメラや特定のレンズ技術(例えばティルトシフトレンズ)で使用されます。

通常のカメラでは、レンズ面と画像面が平行であることが理想ですが、Scheimpflugの原理を適用することで、斜めに傾いた被写体を撮影する際にも焦点を正確に合わせることができます。これを実現するために、レンズ、画像センサー、そして被写体面の交点(いわゆる「ヒンジライン」)が形成されます。この交点により、被写体の異なる距離にある部分もすべてピントが合った状態で撮影が可能です。

具体例として、ティルトシフトレンズを用いると、レンズの角度を調整することで、例えば広い風景や建築物全体にピントを合わせたり、製品検査などで物体の複数の表面を一度に鮮明に撮影することができます。この技術は、建築写真や風景写真、そして産業用撮影や医療用光学機器にも応用されています。

 

Scheimpflugの原理について視覚的に理解しやすい図や詳細な説明は、特に建築や風景写真で使われるティルトシフトレンズの例を示した記事が参考になります。例えば、レンズの傾きを変えると焦点面がどのように変化するかを視覚的に説明する記事があり、これにより、焦点面の傾斜がどのように広範囲な被写体にピントを合わせるのに役立つかが理解しやすくなります​

Cambridge in Colour

通常のカメラ レンズでは、焦点面は画像面と平行です (a)。シャイムプルーフの原理: レンズ面が画像面と平行でない場合、光学系の焦点面は傾きます (b)

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