アレジオン眼瞼クリーム0.5%の効果的な使い方と患者さんへの伝え方
~アレルギー性結膜炎治療の新しい選択肢として~
当院(自由が丘清澤眼科)では、アレルギー性結膜炎の治療にアレジオン眼瞼クリーム0.5%を導入しています。これは参天製薬が開発・販売している比較的新しい外用薬で、点眼とは異なるアプローチで、まぶたの皮膚から有効成分を届けるという治療法です。これに関するパンフレットが届けられましたのでわたくし流に読み下して要点を説明してみます。患者さんの中には、「アレルギー性結膜炎=目薬(点眼薬)」という思い込みがある方も多く、クリームタイプでの治療に戸惑いを見せる方も少なくありません。今回は、実際に患者さんに処方する際のコミュニケーションのコツや使用指導のポイントについて本日受け取ったパンフレットも参考にまとめてみました。
● アレジオン眼瞼クリームとは?
アレジオン眼瞼クリーム0.5%は、有効成分エピナスチン塩酸塩を含む抗ヒスタミン外用剤で、眼瞼皮膚に塗布することでアレルギー症状を緩和します。特に、かゆみ・赤み・腫れといったまぶた周囲の症状に有効で、従来の点眼薬や内服薬だけでは抑えきれない症状を補完する治療手段として注目されています。
このクリームは1日1回の塗布で効果を発揮するのが大きな特長で、患者さんの服薬コンプライアンス(用法容量順守)を高めやすい利点があります。
● 使用指導の重要性と患者さんへの説明
1. 「かゆいときだけ」使用では効果が限定的
患者さんの中には、「かゆくなったら塗る」という自己判断をされる方も多いです。しかし、アレルギー性結膜炎は慢性的かつ反復性の疾患であり、症状が軽快しても継続的な使用が再燃予防に重要です。
この点をしっかり説明し、「毎日1回、症状の有無にかかわらず塗る」ことの意義を理解していただくようにしています。
2. 量の目安と塗布範囲の指導
このクリームのチューブは細口設計で、少量ずつしか出てこないため、実際には十分な量が塗布されていないケースも見られます。私たちは診察室で実際に患者さんに塗ってもらい、その様子を見ながら、
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「米粒大」程度の量を左右のまぶたに(結膜内に塗るわけではない)分けて塗ること
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上下のまぶたのまつ毛の生え際の外側に沿って、まぶたを閉じた状態で塗ること
を丁寧に説明しています。
3. 動画やハンドアウトの活用
参天製薬が配布している使用説明の小冊子や動画資料は、視覚的に非常に分かりやすいため、説明時に活用しています。特に動画は、患者さん自身が帰宅後に使用法を再確認するのにも役立ちます。
また、私(清澤)は、日刊ゲンダイの新聞記事などでも本製品の紹介に協力してきた経緯があり、実際の使用法をデモンストレーションしながら説明することで、患者さんの不安を取り除くよう心がけています。
● アレルギー性結膜炎治療の多様化に応える一手
点眼薬、内服薬に加え、今回のような眼瞼外用剤という新たな選択肢が加わることで、アレルギー性結膜炎の治療はより個別化が可能になりました。
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目のかゆみだけでなく、まぶたの腫れや赤みがつらい
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点眼では治りにくい
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点眼薬がしみる、うまくさせない
といった悩みを抱える患者さんにとって、本剤は有用な選択肢です。
● まとめ:患者満足度向上の鍵は“わかりやすい説明”と“使いやすさ”
アレジオン眼瞼クリーム0.5%は、新しい剤形であるからこそ、使用法の理解と指導が治療効果を大きく左右します。
眼科医として、しっかりとした説明とフォローを行うことで、患者さんのQOL向上につなげていけると確信しています。
※なお、アレジオン眼瞼クリーム0.5%の使用にあたっては、副作用(皮膚のかぶれや刺激感)の可能性についても併せて説明し、異常があれば中止して受診するよう指導しています。(図は:参考にしたパンフレットの表紙です)
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