白内障

[No.3901] 高円寺の庭に咲く紫の花ブーゲンビリアと目の健康

高円寺の庭に咲く紫の花と目の健康

高円寺の個人宅にこの紫の花が咲いていました。個人宅なのでこれ以上近づけませんが、毎年、今頃になるとこの紫の鮮やかな花が長期間、遠くからでも目立って目を楽しませてくれます。花の色彩が町並みに彩りを添え、歩く人々の心を和ませているのを感じます。

この花を見ると、私は南太平洋の大戦の激戦地「ブーゲンビル島」を思い出します。第二次世界大戦中、この島では日米豪連合軍による激戦が繰り広げられました。1943年に連合軍が上陸し、日本軍は補給を断たれながらも長期間戦い続け、約5万人が戦死しました。その多くは戦闘ではなく飢えや病によるもので、宮城・福島など東北地方や九州から派遣された兵士たちが中心でした。間もなく第二次大戦の降伏調印が東京湾の戦艦ミズーリ上で行われた9月2日になります。国際的には8月15日ではなく、この日が終戦の日として扱われるそうです。ところで、この花の名と島の名前には何か関係があるのでしょうか。

ブーゲンビリアの名前の由来

この花は ブーゲンビリア(Bougainvillea) と呼ばれます。名前の由来は南太平洋の島ではなく、18世紀のフランス人航海士 ルイ・アントワーヌ・ド・ブーガンヴィル にあります。彼は南米を探検し、ブラジルでこの花が発見された際、同行していた博物学者が船長の名前を冠して「ブーゲンビリア」と命名しました。

したがって、島の名の由来も同じ人物にちなみます。島が花に名付けられたのではなく、人物名が両者に与えられたということです。歴史を知ると、花を眺める印象も深みを増します。

鮮やかな紫と眼の働き

ブーゲンビリアの特徴は、実際の花そのものではなく、花を囲む 苞(ほう) と呼ばれる葉の部分が鮮やかな紫色に変化していることです。本当の花は苞の中央にある小さな白い部分ですが、人の目には紫色の苞が大きく映り、視覚的なインパクトを与えます。

この紫色をしっかりと感じ取れるのは、網膜の中にある 青・緑・赤の錐体細胞 が働いているからです。加齢に伴い水晶体が黄色く濁ってくると、青や紫といった短波長の色が見えにくくなります。白内障の患者さんが「紫が灰色っぽく見える」「青空がくすんで見える」と訴えるのはそのためです。もし紫の花の鮮やかさが失われて感じられるとしたら、それは眼の健康のサインかもしれません。

南国の花と紫外線

ブーゲンビリアは南米原産で、強烈な太陽光線の下でも元気に咲き誇ります。しかし人間の眼にとって紫外線は決して無害ではありません。長年の紫外線曝露は角膜炎や翼状片、白内障の進行、さらには黄斑変性のリスクを高めます。

花を愛でるときも、紫外線カットのサングラスや帽子を利用することが眼の健康維持に役立ちます。特に夏から秋にかけての強い日差しの下では注意が必要です。

視覚と生活の知恵

この花の苞が鮮やかであるのは、虫や鳥を引き寄せるための「視覚的シグナル」です。自然界の色彩が生物の行動を導くのと同じく、人間社会でも色のコントラストは大切です。信号機の赤・青・黄、病院の案内板の色分けなど、色彩の工夫が視認性を高め、弱視や色覚異常のある方にも役立ちます。ブーゲンビリアは、色が視覚に果たす大切な役割を私たちに思い出させてくれる花なのです。


おわりに

高円寺の庭先に咲くブーゲンビリアは、南国の花ながら都市の片隅でも鮮やかに人々の目を楽しませています。その名は南太平洋の激戦地ブーゲンビル島と同じ人物に由来しますが、花そのものは戦いとは無縁に、人々に安らぎを与えてきました。

鮮やかな紫をしっかり楽しむためには、眼の健康を保つことが不可欠です。ブーゲンビリアの花を眺めるひとときが、目の大切さに思いを寄せる機会になれば幸いです。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。