白内障

[No.425] 非感染性ブドウ膜炎患者における後嚢混濁の長期発生率:論文紹介

清澤のコメント:白内障手術が上手に仕上がった後、数か月して人工水晶体後方の水晶体後嚢に混濁が出て、後発白内障としてレーザー後発白内障切開を必要とするケースがあります。非感染性葡萄膜炎後の白内障眼で、その頻度を使用したレンズごとに比較して、人工水晶体の表面にプラズマ処理をしてあるアクリソフというレンズで後発白内障の発生率が低いという結果を出しています。私が以前所属していた東京医科歯科大学の高瀬先生らの発表で、雑誌はScientific reportという高いインパクトファクターを誇る雑誌です。

    ーーーー要旨ーーーー
非感染性ブドウ膜炎患者における後嚢混濁の長期発生率
2022年3月scientific reports 12(1)
DOI:10.1038 / s41598-022-08325-7

抽象と図
ブドウ膜炎患者の白内障手術後の後方カプセル混濁(PCO)の長期発生率についてはほとんど知られていません。この遡及的研究には、白内障手術とAcrysof SN60WF(表面:プラズマ処理、光学および触覚:疎水性アクリル)、iSert XY-1(表面:UV-オゾン-処理済み、光学およびハプティック:疎水性アクリル)、またはiSert 251/255(表面:UV-オゾン処理、光学:疎水性アクリル、ハプティック:ポリメチルメタクリレート)。 5年間の追跡調査におけるPCOとそれに続くイットリウム-アルミニウム-ガーネット(Nd:YAG)嚢切開の累積発生率を分析し、異なる眼内レンズ(IOL)を移植した患者を比較しました。混合効果Cox比例ハザードモデルは、Acrysofグループと比較して、iSert XY-1グループはPCO(調整済みHR、7.26; 95%CI、1.82–28.8)およびNd:YAG嚢切開術(調整済みHR、 6.50; 95%CI、1.55–27.2)。 AcrysofグループをPCO(調整済みHR、8.22; 95%CI、2.35–28.7)およびNd:YAG嚢切開術(調整済みHR、8.26; 1.90–36.0)についてiSert251/255グループと比較した場合にも同様の結果が得られました。これらのデータは、IOLのプラズマ処理された表面、疎水性アクリル光学系および疎水性アクリル触覚が、炎症性条件下でも生体適合性を高め、PCOの発生を抑制する可能性があることを示唆しています。

   ーーーーーーーーーー

Long-term incidence of posterior capsular opacification in patients with non-infectious uveitis
メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。