結膜炎・花粉症・ものもらい (結膜疾患)

[No.2078] 結膜が素早く能動的にアレルゲンを取り込む仕組みを解明:記事紹介

結膜が素早く能動的にアレルゲンを取り込む仕組みを解明

清澤のコメント:PRTIMESにこの記事が出ていました。アレルゲンは能動的に結膜に取り込まれることが分かったそうで

学校法人 順天堂
― 花粉症治療の新たなターゲットとなる可能性 ―

順天堂大学大学院医学研究科アトピー疾患研究センターの安藤智暁 准教授、北浦次郎 教授、奥村康 センター長ら、および同大学医学部附属浦安病院眼科 木村芽以子 助手、大学院医学研究科眼科学 海老原伸行 教授らの研究グループは、眼の表面に存在する杯細胞(*1)が花粉の殻に反応してGoblet cell associated antigen passage (GAP)(*2)という構造を速やかに形成し、アレルゲンの取り込みに重要な働きをしていることを初めて明らかにしました。これまで眼の花粉症発症におけるアレルゲンの侵入は、バリア機能(*3)の破綻による受動的な取り込みが主であると考えられており、能動的な取り込みの存在は明らかになっていませんでした。研究グループは、マウスを用いた実験により、花粉の殻が神経系を介して速やかにGAP形成を誘導し、能動的なアレルゲン取り込みを引き起こすことによって、花粉症の発症を促すことを明らかにしました。本研究成果は、2023年10月11日正午(米国東部時間)に米国科学誌「JCI Insight」オンライン版に公開されました。

◆本研究成果のポイント
粘液を産生する細胞が、アレルゲンの能動的な取り込みに関わることを発見

花粉粒子が知覚されると、結膜の杯細胞はアレルゲンを素早く取り込むことが明らかに

杯細胞をコントロールすることが新たな花粉症治療のターゲットになる

 
◆背景
花粉症の症状は、花粉が私たちの表面に付着して数分~30分以内に出現しはじめますが、なぜそれほど短時間に反応が生じるかについては明らかになっていませんでした。眼や鼻などの表面は粘膜と呼ばれる湿った柔らかい組織で覆われており、皮膚より物質を通しやすい性質をもっています。しかし、アレルゲンとなる花粉などのタンパク質は分子サイズが大きいため、普段は粘膜のバリア機能によって阻まれ、深部に到達する量はわずかです。そのため、何らかのバリア機能の破綻が起きることにより、アレルギーの症状が出やすくなると考えられてきました。一方、これまでの研究グループによる、マウスを用いた実験では、花粉のエキスを点眼しただけでは花粉症がほとんど発症せず、花粉の殻と一緒に点眼することによって花粉症が生じることが明らかになっていました。そこで研究グループは、花粉の殻が粘膜に働きかけ、アレルゲン通過を促すのではないかと仮説を立て、検証しました。

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