緑内障

[No.1819] グラアルファの位置付け:コーワ株式会社パンフレットから

清澤のコメント:先日、私もinvestigatorとして治験に参加したグラアルファの話を書きましたが、今日はコーワの担当者が私の質問に答えて、グラアルファの位置付けを説明するパンフレット(ROCK阻害薬の新しい展開:谷原秀信先生著)を持ってきてくださいました。薬剤名を商品名に書き換える清澤の注記を加えて自分の理解の具としました。

   ーーーパンフレットの抜き書き他ーーー

グラアルファの位置付け

 現在、緑内障点眼薬の第一選択はプロスタノイド受容体関連薬が主流であり、次いでβ遮断薬、そして第2選択薬以降は此処の選択となっている。グラアルファは主流出路に直接作用するROCK阻害薬とα2作動薬を組み合わせた初めての配合剤であり、点眼薬の薬理作用の観点から様々な組み合わせを可能にする。β遮断薬を含まないため、FP作動薬/β遮断薬の配合剤(清澤注記;①ザラカム配合点眼液(ラタノプロスト+チモロール)、②デュオトラバ配合点眼液(トラボプロスト+
チモロール)、③タプコム配合点眼液(タフルプロスト+
チモロール)、④ミケルナ配合点眼液(ラタノプロスト+
カルテオロール)の4種が処方可能))、β遮断薬/CAIの配合剤(清澤注記:コソプト配合点眼液、コソプトミニ配合点眼液))との併用も可能であり、多剤併用患者の薬剤本数減少に貢献できる上に、3種類の眼圧下降機序を組み合わせた薬物治療を、より少ない点眼回数で実現できる。

 グラアルファの処方パターンとしては、以下の3つが想定される。

①追加処方で、3つの眼圧下降機序による追加効果を期待する。②リパスジル(清澤注記:商品名は「グラナテック点眼薬0.4%」、Rhoキナーゼ阻害剤の1種)やブリモニジン単剤(清澤注記:商品名は「アイファガン点眼薬」、アドレナリンα2受容体作動薬の1種)からの切り替えで点眼本数を増やすことなく治療できる。または両剤併用からの切り替えで薬を整理しアドヒアランスの向上を期待する。③複数の配合点眼薬を組み合わせ、最大耐用量ででの治療を良好なアドヒアランス下で確保する。③は昨今の緑内障診療の新しい流れの中で現れてきたものである。

 現在、緑内障治療には多くの選択肢があり、多剤併用の処方も複雑になりかねない。一方、低侵襲緑内障手術(MIGS)の広まりにより、特に流出路再建術に関しては比較的早い段階で薬物治療から手術治療にシフトするケースが増えてきている。これらの状況を鑑みて、症例によっては、配合点眼液を用いて薬物治療の限界を早い段階で見極めておくという考え方も有用だと考える。ーーー

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