狭隅角眼の患者さんに、緑内障発作予防目的で虹彩切開術を勧めることがあります。虹彩切開術は、瞳孔ブロックによる閉塞偶角緑内障の第一選択となる治療方法です1。虹彩切開術の目的は、瞳孔ブロックを解消して前後房の圧力差を無くし、隅角を開大することです1。「発作を予防する」ということは、診察時にはまだ緑内障の症状がまだ全く起こっていない場合も多いということでもあります。この治療は狭隅角眼に対しては、もっとの標準的なものですが、最新で詳しいガイドラインとして「緑内障ガイドラインの第5版」というものが最近作られました。
ただし、虹彩切開術にはいくつかの注意事項があります。手術の適応は、狭隅角眼の患者さんで、緑内障発作の予防が必要な場合です1。その手術の危険性には、手術中の出血、手術後の眼圧上昇、稀ですが後で水晶体混濁が進む可能性、更に稀ですが網膜剥離などもあります1。手術後の経過観察も重要で、定期的な眼圧測定や眼底検査が必要です1。
虹彩切開術は、緑内障発作予防や発生した場合に使われる最も有効な処置ですが、手術の適応や危険性、注意事項については、患者さんの個別の状態によって相当異なります。そのため、詳細な説明や適切なアドバイスをうけるには、習熟した眼科医による診察の上で相談することが重要です1。
1: 日本眼科学会:緑内障診療ガイドライン(第5版)114ページに記載がある
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