:アイラミド配合懸濁性点眼液の副作用集積状況報告書が千寿製薬担当者から医院に届けられ、その説明を受けました。販売開始から3年が経過したそうです。
緑内障治療薬であるこの薬剤アイラミドはα作動薬(アイファガン)と炭酸脱水酵素阻害薬(ブリンゾラミド)の配合剤です。
この点眼剤の特徴は緑内障治療に多く用いられている「Fプロスタグランジン作動薬(眼房水の排泄を促進させる体内物質にプロスタグランジンF2α(PGF2α)というものがあり、眼房水が排泄されると眼圧が下がる)とβ遮断薬(眼のβ受容体を遮断することで眼房水の産生を抑え、眼圧を下げることで緑内障などの悪化を防ぐ)の合剤」であるザラカム、タプコム、ミケルナに対しても、作用が重複することなく追加投与できる点にあります。
この報告書には、この3年(2020年から2023年)で報告された副作用の集積状況がまとめられており、742例1010件の副作用が記載されました。このうち重篤な副作用は「角膜混濁」4件、「浮腫」および「骨折」各1件だったとのこと。なおこの間の推定投与患者数は61万人だったそうです。
本剤の特性であるブリンゾラミドの懸濁性に起因すると考えられる「霧視」113件のほか、ブリモニジンの抑制作用に関連した「傾眠」32件、「浮動性めまい」21件、「体位性めまい」3件が報告されています。「重要な基本的注意」に記載の通り、自動車の運転など危険を伴う機械操作に従事する際の引き続きの注意喚起が述べられていました。
「角膜混濁」が9件報告され、ブリモニジン含有薬剤での「角膜混濁」事例も含めて報告数があるとのこと。角膜周辺部から扇状に中心部に広がるから、角膜浸潤、角膜申請血管が観察されたら、本剤の投与を中止し、「ステロイド点眼」の処置で緩解した事例の報告が記載されています。
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