清澤のコメント:緑内障の手術で作られる濾過疱(filtering bleb)が自然の治癒過程で消失するのを避けるために使われてきたマイトマイシンCという抗がん剤が市場から消えてしばらくになります。眼科学会では、抗がん剤としてではなく、緑内障手術の併用薬としてこの薬剤の市場への復帰を求めていましたが、眼科用材としての再登録が今回申請されたのだそうです。緑内障手術をする医師と患者さんには朗報と言えるでしょう。
ーーーー記事採録ーーーー
公開日時 2022/02/02 04:49 (ミクスオンライン)
協和キリンは1月31日、インドのIntas Pharmaceuticals社から導入したマイトマイシンC製剤について、緑内障手術における手術補助の目的で使用する眼科用外用剤として、日本で承認申請したと発表した。
協和キリンが国内販売している抗がん剤マイトマイシン注用に対し、日本眼科学会から「緑内障、高眼圧症に対する手術時の使用」について要望がなされ、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の議論を経て、厚労省から協和キリンに開発要請された。そして協和キリンは公知申請の妥当性に係る見解を提出していた。一方で、両剤の原薬製造過程での無菌性の確保に影響しうる事実が判明したため、協和キリンは両剤を自主回収した。その後、両剤の製造再開に相当な時間を要することも判明し、現在も供給再開のメドがたっていない。
そこで協和キリンは、眼科用外用剤としてのマイトマイシンC製剤をIntas社から導入し、今回の申請に至った。
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