清澤のコメント:全身性の抗酸化能は緑内障の危険因子として注目されています。「緑内障は散歩で改善…?「快適な視界」をとり戻す、意外な方法」というネットニュース(3/26(土) 12:02配信)https://news.yahoo.co.jp/articles/706de9058dfa7bf51bea5f538ebd917e3d752e8e の中で、おぐりクリニックの小栗章弘氏がこの酸化ストレスに言及しています。
「取り込んだ酸素の一部が人体の内部で様々な成分と反応して過剰に活性化(活性酸素)し、細胞に様々な悪影響をおよぼす現象が、酸化ストレスだ。眼はその影響を受けやすい器官と言われ、’16年には、東北大学が「酸化ストレスの値と緑内障の重症度には高い相関関係がある」という研究結果を発表している。メカニズムはまだ解明の途中ですが、体内の活性酸素を減らして血液の質を改善しつつ、同時に血流を良くすることが緑内障の予防や改善につながるというのは間違いないでしょう」(小栗氏)。そこで今日は原典に戻って読みだしてみました。
全身性抗酸化能と緑内障性損傷との関連の年齢および性別依存性 Asano, Y., Himori, N., Kunikata, H. et al. Age- and sex-dependency of the association between systemic antioxidant potential and glaucomatous damage. Sci Rep 7, 8032 (2017)
概要
全身の酸化ストレスは、緑内障の病因における重要な要因であると考えられています。特に、通常は酸化ストレスに対抗する低い全身性抗酸化能力は、緑内障の一因となる可能性があります。したがって、本発明者らは、全身性抗酸化能力のバイオマーカーである生物学的抗酸化能(BAP)と、開放隅角緑内障(OAG)患者における緑内障重症度との関連を調査した。この研究には、OAG患者240人の480眼と健康な対照眼66眼が含まれていました。フリーラジカルアナライザーでBAP血清レベルを測定し、乳頭周囲網膜神経線維層の厚さと視野平均偏差から導き出された網膜神経節細胞(wrgc)の数の加重推定値と比較しました。wrgcは、全体、男性、および女性のOAG患者でBAPと無相関であることがわかりました。r = 0.33、P = 0.02; 悪い目:r = 0.27、P = 0.047)。さらに、混合効果回帰分析により、BAPが若い男性OAG患者のwrgcに独立した寄与因子であることが明らかになりました(P = 0.02)。したがって、全身の抗酸化能力は、比較的若い男性患者の緑内障性損傷と関連しており、抗酸化療法がこれらの患者でより効果的である可能性があることを示唆しています。――――
:とのことでした。
コメント