清澤のコメント:参天製薬が開発し、盛んに広報している緑内障治療薬、日本国内ではエイベリス®(2018.12に発売)が米国FDAでも承認されたというプレスリリースが出ました。緑内障治療薬は学会や論文では「オミデネパグ イソプロピル点眼液 0.002%」といった一般名で話されますが、ピンとこないので、なるべく商品名で話していただきたいというのが老開業医の本音です。禁忌、使用注意は:
●無水晶体眼または眼内レンズ挿入眼の患者
(黄斑浮腫、それに伴う視力低下及び視力障害を起こす恐れがあるため)
●タフルプロスト(商品名:タプロス点眼液)を使用中の患者
(機序不明だが、中等度以上の羞明、眼炎症が高頻度に認められたため)
基本的知識を再度定着させておきましょう。
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◎ 参天製薬、開放隅角緑内障・高眼圧症の患者さんを対象とした眼圧下降を目的とする点眼薬OMLONTI®(オミデネパグ イソプロピル点眼液 0.002%)の米国食品医薬品局(FDA)承認を取得
2022.09.26
参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下 Santen)とUBE株式会社(本社:宇部市、以下、UBE)は本日、開放隅角緑内障・高眼圧症を対象とした眼圧下降を目的とする点眼薬として、OMLONTI🄬(オミデネパグ イソプロピル点眼液 0.002%)が、米国食品医薬品局(FDA)により承認されたことをお知らせします。なお、承認取得日は、現地時間9月22日です。
◎選択的EP2受容体作動薬オミデネパグ イソプロピル点眼液の開発
Development of a selective EP2 receptor agonist, omidenepag
isopropyl ophthalmic solution
○不破 正博,Masahiro Fuwa 1. 参天製薬 Santen Pharmaceutical Co., Ltd.
オミデネパグ イソプロピル点眼液(OMDI点眼液、商品名:エイベリス®点眼液0.002%)は、2018年9月に本邦において世界で初めて製造販売承認を取得した選択的EP2受容体作動薬であり、オミデネパグ イソプロピル (Omidenepag isopropyl: OMDI)を主薬とする緑内障・高眼圧症治療剤である。
OMDIの作用点であるEP2受容体は眼内において毛様体筋と線維柱帯に存在することが確認されてい
る。レーザー誘発高眼圧サルでの検討から、OMDIは房水流出の主経路である線維柱帯路および副経路であるぶどう膜強膜路の両経路からの房水流出を促進し、デュアルな房水流出促進作用により眼圧下降作用を示すことから、房水動態の観点からも新規の作用機序を有する。
本邦で第一選択薬として使用されているプロスタノイドFP受容体作動薬(FP作動薬)である0.005%ラタノプロスト点眼液が発売されて以降の約20年間、既存のβ遮断薬も含めFP作動薬と同等の眼圧下降効果を示した薬剤はなかった。OMDI点眼液はFP作動薬との眼圧下降作用の比較試験において非劣性が証明された初めての薬剤であり、第一選択薬として使用することが可能である。
OMDI点眼液は、FP作動薬と同等の高い有効性を示す一方、FP作動薬に特徴的な副作用である眼周囲の色素沈着、睫毛変化や上眼瞼溝深化等といった眼周囲の容貌変化は、承認までに実施した臨床試験において認められていない。一方で、虹彩炎や黄斑浮腫等、本剤使用下で注意が必要な副作用があり、有効性および安全性についての深い理解のもと、適正に使用されることが望まれる。
(出典:pdf (atlas.jp))
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