神経眼科

[No.1671] パーキンソン病における輻輳不全と複視:その実際的な対応は?

パーキンソン病で近見複視を訴える患者さんを診察しました。近距離のプリズムカバーテストでは外斜視10プリズム。遠方では複視はなし。眼瞼下垂なく、各眼位への運動は制限なし。上方注視麻痺もありませんでした。これは、近くの物を見るときに、両目がうまく協調して動かない状態で、輻輳不全(CI: convergence insufficiency)といいます。この状態では、非固視眼が内側ではなく外側に向いてしまい、複視やぼやけた視界が生じます。パーキンソン病はしばしば輻輳の障害を引き起こし、それが視覚機能の障害や生活の質の低下の原因となります。輻輳不全CIは、読書や近くの物を見るときに、複視や視界のぼやけといった症状が現れます。本人は、読書やパソコン作業時に2つの画像が見えて苦しいと訴えていました。私の対応としては、あえてプリズム眼鏡処方は試みずに非優位眼をスコッチテープで隠すことを提案しました。

3Mのスコッチテープを使った簡易片眼オクルーダについて

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