眼科診療秘伝の書 (井上俊洋 編集、2024.11.15 南江堂)。という本が出版されました眼科医諸氏に紹介申し上げます。忍術の秘伝書みたいで楽しいでしょう。(秘伝書についてはこの記事末尾参照)
巻頭言に曰く:(短縮して採録)
「教科書通りに実践してもうまくいかないことが多いのが実臨床の現実です。達人と呼ばれる医師は、豊富な経験に基づき、多様な解決策を引き出しとして持っています。基本に忠実であることは大切ですが、実は教科書には載っていない診療のコツや、各大学で受け継がれてきた技術、経験から生まれた工夫も多くあります。こうした知識の共有は、眼科診療の質を底上げするために重要です。しかし、正攻法から外れた内容は一般的な教科書に掲載される機会が少なく、広く語られることも多くはありません。本書は、通常表に出ないこうした知識を紹介するために企画されました。読者の皆様には『自己判断と責任のもとでお試しください』とお願いしていますが、きっと新たな発見があるはずです。」
大変光栄なことにこの本の最終章である機能性・心因性視覚障害(236-239)を当医院で神経心理外来を担当してくださっている小野木陽子さんと私が担当させて戴きました。
◎ 正攻法その1:詐病の可能性も考える 正攻法のここが大事
◎ 正攻法その2:視力障害、視野障害への対応 正攻法のここが大事
Ⅰ、視力障害
2、視野障害:a トンネル視野、b らせん視野, c その他の視覚症状(色覚、調節、眼位、複視、眼痛、羞明、変視症など)
◎ 秘儀その1 直感的にその眼の状態が測定された視力や視野にマッチしているかどうかをまず考えよう。:これが秘技心因性や詐病と決めつけない。
◎ 詐病の確信を得られたとされる先人からの口伝例
◎ 臨床心理学を応用する;この内容の認知行動療法や描画療法は下記の別項もご覧ください、
「秘伝書」とは、特定の分野や技術において極めて重要で、一般には公開されていない情報や方法を記載した書物を指します。多くの場合、これらの書物は一部の専門家や師匠から弟子へと秘伝的に伝えられ、他の人には知られないようにして価値が保たれてきました。
秘伝書の内容は多岐にわたり、武術や武道、茶道、華道、医術、薬学など日本の伝統文化や職人技に関するものが多くあります。例えば、剣術や柔術の秘伝書には技や戦略、精神的な心得が記され、薬草を使った治療法が秘伝書にまとめられることもありました。
現代においても、「秘伝書」と呼ばれるものは存在し、ある分野で専門的な知識や技能を持つ者にしか伝授されない、独自の技術体系の一環として用いられることがあります。ただし、インターネットの普及や情報共有の進展により、以前よりも秘伝性が薄れている分野も増えています。
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