CES-D(Center for Epidemiologic Studies Depression Scale)は、抑うつの評価に用いられる質問紙法ですが、不安を評価するための質問紙法も多く存在します。以下に代表的なものを挙げます。私はこの分野の質問紙は使ったことがありませんが、医療現場での使用頻度が高いのは HADS や GAD-7だそうです。
1. STAI(State-Trait Anxiety Inventory)
- 概要: 状態不安(今現在の不安)と特性不安(個人の持続的な不安傾向)を測定する質問紙。
- 構成: 40項目(状態不安20項目、特性不安20項目)。
- 対象: 一般成人、臨床患者。
- 使用例: 一時的な不安と持続的な不安を区別したい場合に適している。
2. HADS(Hospital Anxiety and Depression Scale)
- 概要: 病院環境での不安と抑うつを評価する質問紙。
- 構成: 14項目(不安スケール7項目、抑うつスケール7項目)。
- 対象: 医療現場の患者(身体疾患を持つ人を対象に開発)。
- 使用例: 身体疾患患者の精神的ストレスを評価するのに適している。
3. GAD-7(Generalized Anxiety Disorder-7)
- 概要: 全般性不安障害(GAD)の評価に特化した簡便な質問紙。
- 構成: 7項目。
- 対象: 一般成人、医療現場の患者。
- 使用例: 短時間で不安のスクリーニングを行いたい場合。
4. BAI(Beck Anxiety Inventory)
- 概要: 不安の身体症状を中心に評価する質問紙。
- 構成: 21項目。
- 対象: 一般成人、精神疾患患者。
- 使用例: 身体症状を伴う不安(動悸、めまい、筋緊張など)の評価に適している。
5. DASS-21(Depression Anxiety Stress Scales)
- 概要: 抑うつ、不安、ストレスの3領域を評価する尺度。
- 構成: 21項目(抑うつ7項目、不安7項目、ストレス7項目)。
- 対象: 一般成人、臨床患者。
- 使用例: 抑うつやストレスとの関連も評価したい場合。
6. PSWQ(Penn State Worry Questionnaire)
- 概要: 過剰な心配や不安傾向を測定する尺度。
- 構成: 16項目。
- 対象: 全般性不安障害(GAD)の評価。
- 使用例: 心配の頻度や強さを測定したい場合。
7. Fear Questionnaire(FQ)
- 概要: 恐怖症や不安障害の評価に特化した質問紙。
- 構成: 15項目。
- 対象: 特定の恐怖症、不安障害を抱える人。
- 使用例: 特定の恐怖や回避行動を評価したい場合。
用途別のまとめ
用途 | 推奨される尺度 |
---|---|
一般的な不安評価 | STAI, HADS, GAD-7, DASS-21 |
医療現場での簡易評価 | HADS, GAD-7 |
身体症状を伴う不安評価 | BAI |
慢性的な心配・不安 | PSWQ |
恐怖症・回避行動 | FQ |
医療現場での使用頻度が高いのは HADS や GAD-7 で、より詳細な評価をする場合は STAI や BAI などが適しています。用途に応じて適切な尺度を選択すると良いでしょう。
◎ GAD-7(Generalized Anxiety Disorder-7)を入手できたとして、その評価法を教えてください:
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