神経眼科

[No.3316] Visual Snow Syndromeビジュアルスノウ症候群:シエラ・ドンブの旅と未来への展望

この記事はシエラ・ドンブのビジュアル・スノー・シンドローム:レジリエンス、医学的トラウマ、アドボカシーの旅 – Patient Worthy の抄録です。ビジュアルスノウイニシアチブは盛んにビジュアルスノウ症候群の紹介記事を送ってきます。

視覚雪症候群(Visual Snow Syndrome, VSS)とは?

VSSは、視界に常にちらつく点やノイズが見える神経疾患です。目を開けていても閉じていても消えず、その他の感覚障害や片頭痛、めまい、ブレインフォグなどを伴います。診断が困難で、多くの患者が医療機関で誤診や無理解に苦しんできました。

シエラ・ドンブのVSSとの闘い

シエラ・ドンブ氏は2015年、21歳のときにVSSを発症しました。当時、彼女は映画とコミュニケーションを学びながら声優業に携わっていましたが、視界の異常で運転が困難になり、大学を辞めざるを得ませんでした。医師に相談してもVSSの認識が低く、診断を受けられないまま不安と孤独に陥りました。この経験が彼女を患者支援と疾患の啓発へと向かわせました。

Visual Snow Initiative(VSI)の設立

VSSの認知向上と研究促進のため、2018年にドンブ氏は「Visual Snow Initiative (VSI)」を設立しました。同年、第1回ビジュアル・スノー・カンファレンスを開催し、医療専門家と患者が知識を共有できる場を作りました。また、VSIは診断基準の整備やVSSに詳しい医師のグローバルディレクトリの作成にも取り組み、患者が適切な医療を受けられる環境を整えました。

VSSの診断と治療の進展

VSSは、排除診断(他の疾患を除外して診断する方法)によって診断されます。MRIや眼科検査では異常が見られないことが多く、専門医の知識が重要です。VSIは研究を推進し、非侵襲的な治療法の開発や患者支援に努めています。ドンブ氏自身もVSIの治療法を受け、症状が改善したと述べています。

VSSの医学的認知と未来

VSIの活動により、VSSは国際疾病分類(ICD-11)に正式登録され、2025年以降、世界中で公式に認識されます。これは、VSS患者にとって大きな進展であり、今後さらに研究が進むことが期待されます。現在、神経伝達物質や脳のネットワークメカニズムを調査し、より効果的な治療法の確立を目指しています。

VSSとの共生とシエラ・ドンブの使命

ドンブ氏は自身のVSSとの経験をTEDxトークで語り、病気を「痛みを行動に変える機会」と捉えています。彼女は「人々の健康リテラシーを向上させ、十分な情報をもとに意思決定ができる環境を作ること」を目標とし、科学的知識と患者支援の架け橋となる活動を続けています。

VSIの公式サイトでは、最新の研究や治療オプションを提供し、VSS患者やその家族が適切なサポートを受けられるよう支援しています。詳細はVSI公式サイトで確認できます。

メルマガ登録
 

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。