ロウイルス感染症とその眼症状
概要
現在、東京都内ではノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行しています。特に保育所や高齢者施設などで集団感染が報告されており、注意が必要です。
現況(2025年2月20日現在)
東京都内では、ノロウイルスを主な原因とする感染性胃腸炎の流行が続いています。特に保育所や高齢者施設などで集団感染が報告されており、対策が求められます。
患者報告数の推移
2024年第36週(9月)から2025年第7週(2月16日まで)の間、都内の小児科定点医療機関(264か所)から報告された感染性胃腸炎の患者数は増加傾向にあります。
集団発生事例
2024-2025年シーズンでは、2月16日までに323件の集団感染事例が報告されています。その内訳は以下の通りです。
- 保育所:244件
- 小学校:26件
- 高齢者施設:45件
食中毒事例
2025年2月18日には、渋谷区内の飲食店でノロウイルスによる食中毒が発生し、41名が症状を訴えました。
ノロウイルス感染症の解説
ノロウイルスは感染力が非常に強く、少量のウイルスでも感染が成立します。主な症状は以下の通りです。
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 軽度の発熱
通常、これらの症状は1~3日で回復しますが、乳幼児や高齢者では脱水などによる重症化のリスクがあるため注意が必要です。
診断と治療
診断は症状や流行状況から行われますが、特別な治療法はなく、対症療法が中心となります。
予防策
ノロウイルス感染を防ぐためには、以下の予防策が重要です。
- こまめな手洗い(石けんと流水で十分に洗う)
- 食品の十分な加熱(85℃以上で1分間以上)
- 吐物や便の適切な処理(使い捨て手袋やマスクを着用し、次亜塩素酸ナトリウムで消毒)
日頃からの衛生管理を徹底し、感染拡大を防ぎましょう。
ノロウイルス感染と眼症状
ノロウイルス感染は主に胃腸炎を引き起こしますが、まれに神経学的合併症として眼症状が報告されています。
症例報告
- 小児例(7歳女児)
- 腹痛の後に複視、視力低下、眼球運動障害(外転神経麻痺)、軽度の項部硬直を発症。
- 両眼に乳頭浮腫が確認された。
- 出典:(Annals of Child Neurology)
- 成人例(28歳女性)
- ノロウイルス感染後にMiller Fisher症候群を発症。
- 眼筋麻痺、運動失調、腱反射消失が見られた。
- 出典: (ノロウイルス感染に関連するミラーフィッシャー症候群 – PMC)
これらの症例は非常に稀であり、ノロウイルス感染による眼症状は一般的ではありません。しかし、感染後に視覚異常や眼の不調を感じた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
まとめ
現在、東京都内ではノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行しており、特に集団感染のリスクが高い保育所や高齢者施設では警戒が必要です。基本的な予防策を徹底し、感染拡大を防ぎましょう。また、ノロウイルス感染は主に胃腸症状を引き起こしますが、稀に神経系の合併症として眼症状が現れることがあります。感染後に視覚異常が生じた場合は、早めの受診を心がけましょう。
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