神経眼科

[No.356] ビジュアルスノウ(visual snow)とは、

Visual snow ビジュアルスノウについてお話します。

(清澤は現在もビジュアルスノウに関心を持って診療していますが、以前勤務していた南砂町清澤眼科では、私の離任に伴いビジュアルスノウを扱える医師が全く居なくなりましたので、ご連絡は自由が丘清澤眼科にお寄せください。南砂町清澤眼科を引き継いでくださった医院と、自由が丘清澤眼科とは無関係な組織であり、南砂の医院はまもなく改名予定と聞いています。)

 「視野に雪がかかったように見える。」というのをVisual snow, Visual snow syndromeと呼ぶ。白内障で「視力が落ちて霧がかかったようだ」というのとは違い、「アンテナの外れかかったテレビのように」「視界に雪が降る」という視覚陽性現象(存在しないものが見えてしまう)。https://www.visualsnowinitiative.org/   

◎視覚的な雪視覚的静止(visual static):一時的または永続的に見る視覚的な症状。雪やテレビ画面のような静的な画像が、部分的またはその全体視野を覆う。日光の下を含め全ての光条件で見える。

「雪」の重症度や密度は、人によって異なる

・日光の下でも詳細に見えるが、残像やその他の視覚的ないし非視覚的症状のために、読み取りを困難にして人の日常生活に悪い影響を与える。

・ドライブ、日常的な作業を困難にします。

従来は:片頭痛の前駆症状の1種と考えられた。

・硝子体混濁と混同されて誤診され、ビジュアルスノウは過小診断される傾向が有る。

・持続する残像 、 羞明 、強化された青視野の内視現象、耳鳴りのような類の現象です。

◎最近の研究

・脳の代謝亢進が、視覚的雪視症と右舌状回に存在する脳の代謝亢進と関連する。(PET研究)

・原因は未同定。眼科、神経学および精神医学的な検査は、正常である。

◎徴候と症状:

・視覚症状:雪視症の他/視野内の星状映像/増加した残像、浮遊物あり。

・非視覚的な症状:耳鳴り、離人症、現実感の喪失、疲労、言語障害と認知機能障害も見ることが有る。

・後遺症:不安、パニックやうつ病など

◎原因:陽電子断層撮影

・右舌状回と小脳片葉前部に代謝亢進。特定の脳領域に機能的な問題への雪視症を特定できる。診断可能な眼科疾患で発生する可能性。

◎片頭痛の永続的アウラは:

・ジグザグ要塞型の形を取らない事もある。アウラとビジュアルスノウは別物。

・片頭痛でも頭痛は必要な要素ではない。片頭痛の局所神経症状は多種多様である。

・視神経炎やその他の病気、脱水などの有害事象ではビジュアルスノウという確証はない。

・雪視症の病因における幻覚剤の役割が有るかどうかは未定

◎ビジュアルスノウ症候群の診断基準
・視野全体のダイナミックで連続する小さな点がある。
・付加的な症状1つ:反復視(視覚末尾の残像)/ 強化された内視現象/ 羞明・耳鳴り/ 夜間視の障害/ 症状は典型的な片頭痛のアウラに一致しない。

・他の疾患(眼科、薬物乱用)に依るものではない。

◎ビジュアルスノウへの併存疾患

・前兆を伴う片頭痛と普通の片頭痛が一般的な併存疾患である。

・片頭痛は、ビジュアルスノウの視覚症状や耳鳴りを悪化させる。

◎治療:私(清澤)は処方しない:ビジュアルスノウの確立された治療法はない。クロナゼパム/アセタゾラミド/バルプロ酸などを出す医師もいる。経口薬が無効である場合には、フロセミドの静脈内注射または注射が試されるという話もある。

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