清澤のコメント:目に関する話題に常に網を張ってみていますが、今日のネット記事には犬の眼振が解説されていました。人間にもつながる話ですが、まずはペットの話題としてご覧ください。眼振を扱う人間の神経眼科の常識として、人間ではまず末梢性の眼振が多いように思われます。左右の前庭神経核からの入力の入る脳幹の障害でも眼振は起こります。人間では、わずかな眼振でも大変苦しいものですから、物を言えないペットでもそれは苦しいことでしょう。人の場合、先天眼振というものがあって、これであれば、眼振があって、視力は充分でなくても、動揺視は訴えません。では犬の眼振の記事を抄出再録いたします。
先ずは、ネットの動画から。左右の前庭半規管の不均等がある急性疾患なら、次の動画で、平衡器官に異常のある犬は片側に転げまわるようです。
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犬の眼振|症状や原因、対処法を獣医師が解説
犬の眼振は眼球が痙攣したように動く状態のことで、耳や脳の前庭に起きた問題によって見られる可能性があります。シニア犬(老犬)で多く見られ、脳腫瘍や脳卒中など緊急性が高い場合もありますので注意が必要です。獣医師の佐藤が解説します。
犬の眼振とは
眼振(がんしん)とは、眼球が痙攣したように動く状態のことです。動いているものを目で追う際に起こる生理的な眼振(視運動眼振)もありますが、犬自身の意思とは関係なく起こる場合は病気が関係している可能性があります。
病的な眼振は、「前庭疾患」によって起こる神経症状の一つです。前庭とは平衡感覚をつかさどる器官のことで、眼振を起こす原因は耳側(末梢前庭)と脳側(中枢前庭)に分けられます。
耳では中耳炎や内耳炎など、脳では脳炎や脳卒中などが原因になって起こります。原因によっては緊急性が高い場合もありますので、病的な眼振が見られる場合はすぐ動物病院へ行くようにしてください。
犬種や年齢、性別に関係なくどの犬でもなる可能性はありますが、シニア犬(老犬)で見られることが多い症状です。
犬の眼振の症状
眼振は両眼で起こり、原因によって眼球の動き方が異なります。病的な眼振では、頭が静止しているのに眼球だけ動くという特徴があります。眼球の動きには、ゆっくりした動きと速い動きがある「衝動性眼振」や、一定のスピードで動く「振子様眼振」などがあります。
特に水平方向に眼球が動く「水平眼振」の場合は耳の病気が疑われ、垂直方向に動く「垂直眼振」の場合は脳の病気が疑われます。ただし脳の病気で水平方向に動く場合もあるため、方向だけで診断することはできません。
犬の眼振で考えられる原因
眼振が見られる場合、動物病院では血液検査や耳の観察、X線(レントゲン)検査、CT・MRI検査などを行って原因を特定していきます。考えられる主な原因と治療法について、耳側(末梢前庭)と脳側(中枢前庭)に分けて解説します。
耳の前庭が原因で起こる眼振
耳の前庭(末梢前庭)が原因で眼振が起きている場合、多くは中耳炎か内耳炎です。中耳炎は鼓膜の奥にある「中耳」と呼ばれる空間で起こる炎症で、ほとんどは外耳炎から引き起こされます。ーー
外耳炎や中耳炎が慢性化すると、中耳のさらに奥にある「内耳」と呼ばれる空間で炎症が起こります。内耳は聴覚と平衡感覚をつかさどる「前庭」「半規管」「蝸牛(蝸牛)」があるため、内耳炎が起こると難聴になったり、ふらふらしたり、眼振が起こったりします。中耳炎や内耳炎で起こる眼振は、それらを治療することで改善します。ーー
脳の前庭が原因で起こる眼振
脳の前庭(中枢前庭)が原因で起こる場合、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)や脳炎(髄膜脳炎)、脳腫瘍などが考えられます。いずれも緊急性が高く、早期治療が必要です。
まとめ
眼振は耳や脳の前庭に起きた問題によって見られる可能性があります。犬の意思とは関係なく眼球が上下左右に動いてしまう症状で、特に脳で問題が起きている場合は緊急性が高い可能性があります。愛犬の眼振に気づいた場合は、できるだけ早く動物病院へ行くようにしてください。
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