神経眼科

[No.997] コロナ禍で女性だけ自殺が増えている なぜ?:記事紹介

コロナ禍で女性だけ自殺が増えている なぜ? 2022.10.02 :

清澤のコメント:NHKの記事によるとコロナ以降で若い女性の自殺が増えているという(元記事リンク)。私の医院にも難治性の眼瞼痙攣など様々な重篤な悩みのある患者さんの相談や、すでに精神科や神経内科での投薬を受けている神経眼科症状での受診患者が少なからず居ますが、世の中の状況がこれほどまでになっているとは気が付かなかった。

私の医院では、①私自身が患者さんの話を直に聞き、対応を考える、②目と心の健康相談室(看護師荒川が責任者)への相談の連結、③臨床心理士(小野木)によるカウンセリングの実施による対応を準備しています。「開瞼維持困難」、「強い羞明」、「眼痛」、「ビジュアルスノウ」、「幻視」、「強いドライアイ」など目に関する耐え難い症状をお持ちの方は今後とも、ご相談ください。「長期間に亘ってお相手し続ける」というよりは、「早々に適切な落ち着かせどころを探す」方向での対応を主に考えようとしています。(なお、私は今後も相談には喜んで乗らせていただきますが、不遜ながら今回の医院での診療開始は隠居仕事ですから、増患のための宣伝を意図している訳ではございません。)

  ――――上記NHK記事の要旨―――――

「死にたい」「苦しい」「消えたい」。

若い女性たちの支援を行う団体にSNSで次々に寄せられる切実な心の声。生きづらさを抱えた女性たちが助けやつながりを求めています。

減少傾向だった自殺者の数は、コロナ禍に入って男性の減少が続く一方、女性は増加に転じています。

若い女性から届く「死にたい」

SNSで寄せられたメッセージ:SNSで寄せられた相談は、2021年度、4万8000件余り。約30人のスタッフが対応に当たっています。中には、「死にたい」といった自殺をほのめかすことばも。オンライン相談は、これまでにのべ300人以上が利用しています。

スタッフは、高校生がぽつりぽつりと吐き出すことばに、時間をかけて耳を傾けていきます。

女性をさらに追い詰めるコロナ禍;生きづらさを抱える女性たちを支援につなぐために団体が何よりも重要だと考えているのは、直接的な関わりを持つことです。

相談に訪れたナナさん(仮名)、;2020年に広がったコロナ禍が、生活を一変させ、さらに大きなストレスとなってナナさんを苦しめました。学校が休校となったことに加え、母親もテレワークで自宅で仕事をするようになっていっしょに過ごす時間が増えたのです。お母さんは1人で子育てをしてくれていたから、会社や子育てのストレスが私に向いたのかなと思っています。死にたいという気持ちに突然襲われる。今でも、ふと孤独を感じ、死にたいという気持ちに突然襲われることがあるという。コロナで人と会わなくなって、1人の時間が増えて、孤独感みたいなものがあります。

もともと大変だった状況が、コロナ禍でさらに深刻になっていて、それで追い詰められたりしているのが、若年の女性たちなのだと思います。周りで見ている人たちが、見て見ぬふりしないことが大切で、ふだんと違う様子だと思ったら、国などが提供しているさまざまな相談先があることを教えてあげるなどしてほしい

コロナ禍で自殺者数の傾向は

国の自殺統計によりますと、年間の自殺者数は、2003年の3万4427人をピークに、2010年以降減少傾向となり、2021年は2万1007人でした。男女別でみると、男性は1万3939人と2020年より116人減った一方で、女性は7068人と2020年より42人増え、コロナ禍以降、2年連続で増加しています。

超過死亡 約8500人 若年女性に最も影響か

試算は、民間のシンクタンクが予測していた失業率などから導き出したもので、2022年9月に公表された最新の分析では、コロナ禍が広がった2020年3月から2022年7月までの2年5か月で、自殺した人の数が約8500人増えたとするシミュレーション結果となっています。男女別、年代別の内訳をみると、男女のほぼすべての年代で増えていますが、最も多いのは20代の女性で約1100人に上っています。20歳未満の女性も同じ年代の男性と比べて多く、約300人でした。

 

日本では、失業率が上がると自殺者数が増える傾向が知られていますが、約8500人のうち、失業率の増加で説明できるのは約1300人にとどまるということで、何らかの別の理由があるのではないか、人と人との接触の減少や家庭内で過ごす時間の増加など生活様式の変化が何らかの精神的なストレスにつながっていると推測される

「自殺の理由」と、コロナ禍が起きなかった場合にどうなっていたかを過去のデータからシミュレーションして得られた理由を比較したところ、女性で特に増えていたのが、「子育ての悩み」「夫婦の不和」「介護・看病疲れ」など家庭内の問題でした。コロナ禍で学校が休校になったり、医療や福祉のサービスが受けにくくなったりして、家族の世話や介護などを女性が負担することが増えたことなどが、自殺の増加につながった可能性が考えられるとしていて、そうした傾向に配慮したきめ細かい支援体制の整備が必要だと訴えています。

この特集記事の内容は、10月3日のおはよう日本でも放送する予定です。

 

悩みや不安を抱えたときの相談先 抜粋です

【電話の相談窓口】

「よりそいホットライン」フリーダイヤル 0120-279-338 ※24時間対応

【SNS相談】

「BONDプロジェクト」 https://bondproject.jp

科学文化部 記者 岡 肇

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