神経眼科

[No.1441] ヒト脳グルコース代謝に対する眼の閉鎖と視神経損傷の影響:旧論文紹介

清澤のコメント:1989年にペンシルバニア大から発表した論文の引用が30件を超えたことをリサーチゲートというサイトが祝ってくれました。楽しかった30余年前の留学時代の思い出です。

Great job, Motohiro! Your article reached 30 citations Achieved on 

ヒト脳グルコース代謝に対する眼の閉鎖と視神経損傷の影響を研究するための陽電子放出断層撮影

元論文はAm J Ophthalmol VOLUME 108,  P147-152, AUGUST 1989、Positron Emission Tomography to Study the Effect of Eye Closure and Optic Nerve Damage on Human Cerebral Glucose Metabolismで、著者はThomas M. Bosley, M.D., Michael Kushner, M.D., Dara Jamieson, M.D., Abass Alavi, M.D., Peter J. Savino, M.D., Robert C. Sergott, M.D., Martin Reivich, M.D. DOI:https://doi.org/10.1016/0002-9394(89)90009-3

  ーーー要旨採録ーーー

18F-2-フルオロ-2-デオキシグルコースと陽電子放出断層撮影法を使用して、脳のグルコース代謝に対する視覚的剥奪の影響を評価しました。 実験1では、目を閉じて研究した7人の正常なボランティアと、目を開けて研究した年齢と性別を一致させた11人の正常なボランティアで、グルコースの局所脳代謝率を比較しました。 全脳代謝は2つのグループで類似しており、代謝データの領域/全脳分析は、鳥距皮質(calcarine posterior cortex )の代謝が閉眼により14%減少したことを示しました(P <.05). 他の領域のグルコース代謝は、2 つのグループ間で違いはありませんでした。
実験 2 では、重度の両側性視神経障害の 6 人の患者のグルコース代謝を、年齢と性別を一致させた 12 人の正常対照と比較しました。 全脳のグルコース代謝は、対照と比較して視神経障害群で変化がありませんでした。 しかし、視神経障害群の統計的に有意なグルコース代謝の減少は、前部鳥距領皮質(anterior calcarine cortex , 17%)、後部鳥距領皮質 (posterior calcarine cortex、27%)、周線状皮質皮質 ( peristriate cortex、 27%)、および外側後頭葉皮質 ( pregeniculate visual system、15%) で見られました。 外側膝状体以前の視覚系への損傷による代謝効果は、単純な閉眼の効果をはるかに超えていました。

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