全身病と眼

[No.1346] 急性期脳梗塞における血栓回収療法の概要

清澤のコメント:急性期脳梗塞における血栓回収療法の概要という文書が関東中央病院から送られてきました。現在、脳梗塞ん対しては時間単位での対応が求められています。半盲や片麻痺などの急性の脳虚血症状が発生したのを見た場合、我々眼科医も即時救急搬送を手配するなどの対応が必要なようです。巻頭中央病院は当医院からも近くですし、このようなアピールをされるのですからこの治療は上手になさるのでしょう。パンフレットの内容を採録いたします。

  ーー急性期脳梗塞における血栓回収療法の概要ーー

関東中央病院でも実施している急性期脳梗塞における血栓回収療法について紹介。超急性期脳梗塞に対する治療は「Time is brain」と言われるように、患者の予後に大きく影響するためとても重要です。その代表的な治療法としてrt-PA(アルテプラーゼ)静注療法と血栓回収療法があります。

 はっしょうより4.5時間以内ではrt-PA常駐療法を行います。脳血管に詰まった血栓を溶かす薬を静注し、短時間のうちに血管を再開通させることで脳組織を梗塞から救う事のできる効果の高い治療法です。しかし、発症後4.5時間以内に治療を開始することや、既往歴・血液検査などの条件を満たす必要があるためすべての患者さんがrt-PT療法を受けられるわけではありません。またrt-PT療法を行っても血栓が溶けずに脳梗塞になってしまう患者さんもいます。

 そこでこのような患者さんを対象に、カテーテルを用いた血栓回収デバイスによる血栓回収療法がおこなわれます。最近ではrt-PT療法実施患者についても、発症6時間以内に、追加で血栓回収療法を開始することが推奨されています。(1)

脳の主幹動脈(ICA:内頚動脈またはMCA M1部:中大脳動脈のM1部)の塞栓である場合に血栓回収療法の主な適応となります。

 現在、主に使用されている血栓回収デバイスは2種類あります。1つ目は決戦をポンプで吸い取って取り除く「Penumbra(ペナンブラ)システム」です。もう一つはステント型の血栓回収装置(ステントリトリーバー)です。ステントの網で血栓を絡めながら取り除きます。この2つのデバイスは併用して治療を実施することが主流となっています。

参考文献:日本脳卒中学会/日本脳神経外科学会/日本脳神経血管内治療学会「経皮経管的脳血栓回収用機器適正使用方針」 第4版2020年3月

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