セリーヌ・ディオンさん、難病に 「スティッフパーソン症候群」 2022年12月09日14時37分
【オタワAFP時事】1997年の米映画「タイタニック」の主題歌を歌ったことで知られるカナダの歌手セリーヌ・ディオンさん(54)は8日、体の硬直などが起こる難病「スティッフパーソン症候群」を患っていることを明らかにした。来年2月から予定していた欧州ツアーを延期するという。
◎ スティッフパーソン症候群(旧スチッフマン症候群)の眼症状を調査:眼球運動にも症状が出て、複視などを訴えるそうです。
孤立性眼筋麻痺を呈するスティッフアイ症候群-抗GAD運動失調:
要約
抗GAD運動失調症は、免疫介在性小脳失調症の最も一般的な形態の1つです。多くの神経学的症候群が抗GAD抗体に関連して報告されている。眼筋麻痺は、スティッフパーソン(SPS)症候群で説明されている。今回われわれは抗GAD失調症で孤立性眼筋麻痺を呈し,免疫療法後に完全消失を認めた症例を経験した.症例は26歳の男性で,右眼の強直性上方偏位を主訴に来院した眼麻痺を主訴に来院した.翌月、彼は1972 UI / mLの抗GAD力価を伴う進行性運動失調症を発症した。メチルプレドニゾロンと免疫グロブリンによる治療後、症状は完全に解消し、抗GAD力価は低下しました。.これは、SPS症候群を伴わない抗GAD抗体に伴う強直性眼偏位による孤立性眼痺の最初の報告。強直性眼偏位はSPSで報告されており、おそらく脳幹の注視保持ニューロンの連続放電に続発します(脊髄運動ニューロンで発生するものと同様)。SPSの眼異常の証拠が増えているため、抗GAD関連神経症候群を孤立性眼筋麻痺の鑑別診断に含める必要があります。;清澤注:このほかに網膜病変も最近報告されており、この疾患を見る人はそれもご考慮ください。
◎ スティッフパーソン症候群(以前はスティッフマン症候群)では、筋肉のこわばりが徐々に悪化します。
スティッフパーソン症候群は、しばしば1型糖尿病、特定の自己免疫疾患、または特定のがんがある人に起こります。
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まず体幹や腹部の筋肉が徐々に硬く大きくなっていき、最終的には症状が全身の筋肉が侵されます。
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医師は症状からスティッフパーソン症候群を疑いますが、診断を確定するには筋電図検査と血液検査の結果を参考にします。
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治療では症状の緩和に重点が置かれ、ジアゼパム(鎮静薬)、バクロフェン(筋弛緩薬)、コルチコステロイドのほか、ときにリツキシマブまたは血漿交換などが用いられます。
スティッフパーソン症候群(以前はスティッフマン症候群と呼ばれていました)は、主に脳と脊髄(中枢神経系)を侵しますが、 神経筋接合部疾患(神経と筋肉の接続部を侵す病気;重症筋無力症等)に似た症状を引き起こします。
スティッフパーソン症候群は女性に多くみられ、しばしば1型糖尿病、特定の自己免疫疾患(甲状腺炎など)、または特定のがん(乳がん[最多]、肺がん、腎臓がん、甲状腺がん、結腸がん、 ホジキンリンパ腫など)がある人に起こります。
スティッフパーソン症候群の原因は、 自己免疫反応(体が自分の組織を攻撃する抗体を作る反応)であると考えられています。スティッフパーソン症候群では、筋肉の運動を制御する脊髄の神経細胞が、これらの抗体によって攻撃されます。スティッフパーソン症候群の人のほとんどに、グルタミン酸脱炭酸酵素という酵素を攻撃する抗体がみられます。この酵素は、神経が筋肉を過剰に刺激するのを防ぐ化学伝達物質(神経伝達物質)の生産に関与しています。この酵素の生産量が少なくなると、神経が筋肉を過剰に刺激するようになり、筋肉が硬くこわばります。
症状
スティッフパーソン症候群の人では、体幹や腹部の筋肉が徐々に硬くなり、肥大します。腕や脚の筋肉も侵されますが、それほど症状はひどくありません。
スティッフパーソン症候群は、治療しないでいると進行して、全身に及ぶこわばりと身体障害をもたらします。
診断
スティッフパーソン症候群の診断では、症状からこの病気が示唆されます。そして、診断の確定を補助するために検査を行います。具体的には、 筋電図検査のほか、スティッフパーソン症候群の多くの人にみられる抗体を検出する血液検査などが行われます。
治療
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ジアゼパム(鎮静薬)または筋肉を弛緩させるその他の薬
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免疫グロブリン製剤
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ときにコルチコステロイド
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ときにリツキシマブまたは血漿交換
スティッフパーソン症候群の治療では、症状の緩和に重点が置かれます。鎮静薬のジアゼパムで、ほぼ確実に筋肉のこわばりを和らげることができます。ジアゼパムで効果がなければ、バクロフェン(筋弛緩薬)などその他の薬剤が試されることがあります。
免疫グロブリン製剤(複数のドナーから採取した多くの様々な抗体を含む溶液)が最大1年間にわたって症状の緩和に役立つことがあります。
コルチコステロイドは有用ですが、長期間使用すると様々な副作用が起こります。
免疫グロブリン製剤で効果がみられない場合は、リツキシマブ(免疫系の活性を調節する薬剤)または 血漿交換(異常抗体などの有害物質をフィルターで血液から取り除く治療)が試みられることがあります。
脚注:
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