強度近視のある患者さんに強度近視黄斑症や緑内障の進行を少なくするために好ましくない生活習慣を聞かれました。そこで強度近視の患者さんに向けた「好ましくない生活習慣」に関する説明文を作りました。
強度近視の方が気をつけたい生活習慣
強度近視(-6.0D以上の近視)があると、網膜や視神経に負担がかかり、近視性黄斑症や緑内障といった合併症を起こすリスクが高くなります。これらの病気を予防・進行抑制するために、日常生活で注意すべき点を以下にまとめました。
- 長時間の近くを見る作業(スマホ・読書・PC)
うつむいて近くを長時間見る姿勢は、眼の内部の圧力変化や血流の低下を招き、網膜や視神経に悪影響を及ぼします。スマートフォンやパソコン、読書などは1時間ごとに10~15分程度の休憩をとり、目を遠くに向ける「遠望」時間を意識して作りましょう。 - 極端に暗い環境での作業
暗い場所での読書やスマホ操作は、瞳孔が開きやすく、光の調節のために眼に負担がかかります。これも網膜へのストレスの一因となりますので、適切な明るさの下で作業を行いましょう。 - 運動不足と血行不良
血流の悪さは、視神経の障害を招く緑内障の進行に関係します。特に強度近視では網膜や視神経がすでに弱っていることが多いため、無理のない範囲でのウォーキングやストレッチなど、軽い有酸素運動を日常に取り入れることが勧められます。 - 睡眠不足や不規則な生活
睡眠中は眼の血流や代謝が回復する大切な時間です。睡眠不足や夜型生活は視神経の健康にも悪影響を与える可能性があります。1日6~7時間以上の質の良い睡眠を心がけましょう。 - 極端な前屈みや重いものを持つ姿勢
洗顔時の強い前屈み、長時間のうつ伏せ姿勢、重い荷物を持つ動作などは、眼圧の一時的な上昇を引き起こします。特に緑内障のリスクがある方は、こうした姿勢を避けるようにしましょう。 - 喫煙・過度な飲酒
喫煙は網膜への酸素供給を減らし、視神経へのダメージを進めます。また、アルコールの過剰摂取も眼の血流や代謝に悪影響を与えかねません。これらの習慣はできるだけ控えましょう。
まとめ
強度近視の方は、目を過度に酷使しない生活を心がけ、眼底や視神経を守ることが大切です。生活習慣を見直すことで、近視に伴う網膜疾患や緑内障の進行をある程度予防することが可能です。定期的な眼科受診を続けながら、日々のケアも意識して過ごしましょう。
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