コンタクトレンズに抗アレルギー薬を徐放性に含ませて、そのレンズを装用させることによって、アレルギー性結膜炎が発生する前にその発症を抑えようとする製品が上市されているそうです。(ワンデー・アキュビューセラビジョン・アレルケア)その説明を聞いていて、アレルギー性結膜炎のグレーディングは、どのようになされているのかが気になりました、そこで、参考にとして紹介されたのが、「医療情報学会・人工知能学会 AIM 合同研究会資料 SIG-AIMED-006-09のニューラルネットワークによりグレーディングされた結膜充血 4 値分類と血管占有面積指標との相関:Correlation between graded conjunctival hyperemia four-value classification based on neural network and area occupied by blood vessel」でした。
file:///C:/Users/kiyosawa-ii/Downloads/SIG-AIMED-006-09%20(3).pdf
その概要は:概要:
結膜充血は、多くの眼疾患に関連する基本的な所見です。現在、日本眼アレルギー学会による結膜充血重症度の分類は医学的に認められています。
ディープラーニングを使用して評価尺度を置き換えることを試み、一定の結果を出しました。 AIと専門家の間の一致の程度は、専門家の間の判断の一致の程度よりも高いです。このシステムの判断と客観的指標(米田らによって報告された眼結膜血管面積)との相関関係を調べた。深層学習システムによる評価結果と占有血管面積との相関は0.737(p <0.01)でした。私たちのシステムによって判断された各グレードの占有血管面積の平均値は、各グレード間で有意差があることがわかりました。 (p <0.01)この深層学習システムによる結膜充血重症度評価の妥当性は、客観的指標によっても裏付けられました。:とされていた。
また、その緒言を見ますと:「現在医学的に認知されている結膜充血の重症度分類には、McMonnies/Chapman–Davies スケール 1, Institute for Eye Research スケール 2, Efron スケール3, 標準的眼球赤見スケール 4, 日本眼科アレルギー学会策定結膜充血重症度分類 5 などがある.」とされていて、「数多くの分類があることは、2 つのことを意味する。その一つは結膜充血の重症度分類が前述したとおりに眼科臨床上で重要な診断ツールであることである。もう一つが、どのスケールもコンセンサスになるまでは用いられていないということである。」とされていた。:
参考文献は次の5点:
[1] McMonnies, C. W. & Chapman-Davies, A. Assessment of conjunctival hyperemia in contact lens wearers. Part I. Am.
J. Optom. Physiol. Opt. 64, 246–250 (1987).
[2] Institute for Eye Research. IER grading scales. http://www.siliconehydrogels.org/resources/index.asp (2007)
[3] Efron, N. Clinical application of grading scales for contact lens complications. Optician 213, 26–35 (1997).
[4] Schulze, M., Jones, D. & Simpson T. The development of validated bulbar redness grading scales. Optom. Vis. Sci.
84, 976–983 (2007).
[5] Takamura, E. et al. Japanese guidelines for allergic conjunctival diseases 2017. Allergol. Int. 66, 220–229
(2017).
眼科臨床でアレルギー性結膜炎の重症度の評価をする場合には上記のようにいくつもの分類があるということと、これを画像解析で評価しようという試みがあるというあたりが現在のコンセンサスである、ということのようでした。
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