小児の眼科疾患

[No.2384] Lazy eye(怠惰な目・斜視)とは?

Lazy eye (怠惰な目)とは?

英語の慣用句にLazy eyeという言葉があります。外国人の患者さんが既往歴でこれを述べたら、眼科医は果たして何を考えればよいのでしょうか?

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Q: 怠惰な目を説明する

A: amblyopia(弱視)ないし strabismus(斜視)としても知られるlazy eye(怠惰な目)は、小児期の視力に影響を与える症状です。 これに関する重要なポイントは次のとおりです。

 

定義: 怠惰な目は、脳が一方の目からの入力を完全に処理できず、時間が経つともう一方の目に優先的に作用するときに発生します。 その結果、他の面では正常に見えても、影響を受けた目は時に視力が低下します。このような状況下で左右の視線が平行でないことが他者から見て視認される場合に、lazy eye(怠惰な目)という俗語が適用されているようです。 

症状:

さまよえる目: 弱った目は、図のように内側または外側にさまようことがあります。

この結果、奥行き知覚の低下: 距離を判断することが困難です。

また、この子供は片方の目を目を細めたり、目を閉じたりすることもあります。

頭を傾ける: 頭を傾けて左右の視線の違いを補正しようとします。(滑車神経麻痺で上下斜視があった例の、子供の時の古い写真を見ると、幼少時から首をかしげていたことの確認ができることがあります。)

異常視力スクリーニングの結果: 場合によっては、目の検査をしなければ、「怠け眼」が明らかにならないこともあります。

原因による分類:

斜視弱視;眼球を動かす筋肉の不均衡(斜視弱視):左右の目の筋肉の不均衡により、視線が交差(内斜)したり外側を向いたり(外斜)して、左右の目が連動できなくなります。この斜視自体が元の原因で弱視に進行することもあります。眼科医は両眼を開いて眼位ずれがあれば斜視(tropia)、交互に左右の片目を遮蔽して初めて視線のずれが見つかるなら斜位(phoria)と診断します。この両者が時間によって変わるならば、間欠性斜視とか斜視位とも診断します。

屈折性弱視:左右眼の視力の鮮明さの違い。 両眼の屈折度数に大きな違いがある (遠視、近視、乱視などによる) と、それが斜視(怠惰な目)につながる可能性があります。

視覚遮断性弱視: 片方の目に問題があるため (白内障など)、その目の鮮明な視界が妨げられることに原因がある弱視です。 視覚刺激遮断性弱視が疑われるならば、子供が成長してからも残存してしまう永続的な視力喪失(弱視)を防ぐために目に光が入るようにする白内障手術などの緊急治療が必要なこともあります。 

危険因子:

早産:未熟児でのリスクは高くなります。

出生時の体格が小さい:出生体重が低い赤ちゃんは、より影響を受けやすい可能性があります。

家族歴: 家族歴に怠惰な目が存在すると、リスクが増加します。

長期にわたる視力の問題(弱視化)を防ぐには、早期の診断と治療が重要です。 お子様の目がさまよっていることに気付いた場合、または視力の問題が疑われる場合は、早めに医師に相談して目の精密検査を受けてください。

弱視は8歳までに発見して治療しないと回復のチャンスを逃す:日刊ゲンダイ自著記事紹介

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