本日も小児の近視進行を憂う親子が来院しました。繰り返しになりますが、小児の近視の平均進行速度は何D/年か?それに対する戸外活動、アトロピン、オルソケラトロジーの予防効果、その他の方法の効果はそれぞれどのくらいあるのでしょうか?
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小児の近視の進行と予防方法の効果
小児の近視の平均進行速度
- 小児の近視は平均して0.5〜1.0D(ディオプトリー)/年の速度で進行します。これは個人差が大きく、遺伝や環境要因によって異なります。
予防方法とその効果
- 戸外活動
- 効果: 1日2時間以上の戸外活動が近視進行のリスクを約30%低減することが報告されています。自然光の下で過ごす時間が眼球の成長を抑制するためと考えられています。
- 推奨: 週に少なくとも10〜14時間の戸外活動を推奨します。
- アトロピン点眼
- 効果: 低濃度(01%〜0.05%)のアトロピン点眼は近視進行を平均して50%程度減少させる効果があります。高濃度(1%)のアトロピンはより強力ですが、副作用(瞳孔拡大、光過敏)が多いため、低濃度が一般的に使用されます。
- 使用法: 毎晩寝る前に1滴点眼。
- オルソケラトロジー(オルソK)
- 効果: 特別なコンタクトレンズを夜間装着することで、日中の裸眼視力を改善し、近視進行を平均して45〜50%減少させる効果があります。
- 使用法: 毎晩レンズを装着し、日中は裸眼で過ごします。眼科医の定期的なチェックが必要です。
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