清澤のコメント:5歳の女児に水を掛けたうえ扇風機をかけて殺したという事件に判決が出ました。児童相談所は何をしていたのだという論調の記事も見かけました。母親と知人男性の酷い犯行で、なんともやりきれない事件です。10歳の兄が3歳の妹をベランダから投げ落として殺したという事件も報じられました。これから親はこの少年をどう導いて育ててゆけば良いのかと心配します。
藤原先生の著書に対する毎日新聞ん書評が出ました。「本日、さすがの書評が出ました。」と藤原一技先生はメールで教えてくださいました。
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(三省堂書店/創英社・1500円)
つかまり立ちを始めた赤ちゃんが転んでひやりとした経験は親なら誰でもあるだろう。頭を打って大けがをしたら、と考えるだけで恐ろしい。ところが実際にけがをさせてしまった結果、虐待によるSBS(乳幼児揺さぶられ症候群)を疑われ、児童相談所に我が子を数カ月間隔離される事例が各地で起きている。本書はそうした両親の相談に応じてきた脳神経外科医ららによる問題提起の書だ。
なぜ事故が虐待とされるのか。その原因を本書は、「低位置からの転落で急性硬膜下出血は起こらない」とした厚生労働省の指針にあると指摘する。現実には赤ちゃんが頭を打ち、急性硬膜下出血を起こす事例が「中村1型」の名で報告されている。だがその知見を生かそうとしない現状が虐待の「えん罪」を生んでいる。
近年、虐待が疑われた刑事裁判で無罪判決が相次ぎ、視診への疑念は広く知られるようになった。だが厚労省や関係学会に改定の動きは見えない。理不尽な隔離は今後も起こり得る。本書が紹介した複数の実例は「もしも」に備えた保護者への基礎知識としても役立つだろう。(聡)
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清澤からのお知らせ:アマゾンなどでご購入いただければ幸甚ですが、自由が丘清澤眼科の窓口にも藤原先生から著者献本が数冊、届けられています。残部がある限り、ご希望の方には差し上げますのでご連絡ください。
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