小児の眼科疾患

[No.3804] 小児科診療のポイント 彦谷明子先生(浜松医科大学)

この眼科院長ブログは、患者や家族が主な対象です。ご家族が、お子さんの目に不安を感じたら下の文を読んで早く眼科を訪れることをお勧めします。

彦谷明子先生は小児眼科診療のポイントを離された。

小児科医がスポットビジョンスクリーナを持つ様になり、従来以上に診察に協力できない乳幼児を眼科に紹介してくるようになったので、眼科医には大変。

小児は、視覚の発達段階であり、治療にはタイムリミットがある、また正常値が年齢により異なるという点に注意が必要であると説明された。

スポットビジョンスクリーナの対象年齢は6か月以上であるが、この検査でタイムアウトや測定不能のものを見逃してはならない。また調節が働くから屈折異常は擬陽性が多い。一方小児の斜視判定には有用である。

視力の発達は、3月で0.1。1歳あたりで1.0に近づく。感受性期で限られるから、片眼性の先天白内障は生後約6週までに手術要、また両眼性でも生後約10週までの手術が必要とされる。すべてを見なくともRed reflex法は有用です。

乳児内斜視:10週までに40プリズム以上の斜視なら自然消失はしない。:6か月から8か月以内の超早期、24日月までの早期手術の対象になる。

乳幼児の屈折異常に対する屈折異常に対する治療ガイドライン2018がアメリカ眼科学界にある。

3歳前後で視力の自覚検査(森実式ウサギの目、ランドルト、魚蝶など)が可能になるが、個人差が大きい。検査可能率は3歳73%、3歳6か月95%であり、標準視力は3歳で0.55,3歳6か月で0.82,4歳で0.88であるという。

禁句:「見せてくれられるようになったら、またおいで」⇒手遅れになる可能性がある。

追記:かつてわたくしも一緒に診察をさせていただいた森実先生ご夫妻は、視力検査に不慣れな小児にも対応できる「森実式視力計」を開発された眼科医です。この視力計では、ランドルト環の代わりに黒い点で目を描いたウサギの絵を用い、目が開いているかを指さしで答える方法を採用しています。楽しく直感的に答えられるため、幼い子どもでも正確な視力評価が可能となります。ご夫妻の優しさと工夫が詰まった温かな検査法です。

 

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