清澤のコメント:眼科の話題に限らず、広い興味の範囲を掲げるこのブログ「清澤眼科通信」の分類項目に「社会・経済」を復活さあせてもらいました。先日のバフェット太郎の秘密のポートフォリオに続いて、日経社説2021年12月21日でも岸田内閣の経済政策批判が公表されました。今朝は、豊島逸男氏も同意を表明しています。新自由主義に代わる「新しい資本主義」という単語がキーワードのようなのですが、従業員への利益配分を重視し、株主(資本提供者)を悪者とみなす耳触りの良い政策が日本の株価を破壊し、海外への資金流出を促進して、世界の中で日本だけが貧しくなるというこの批判は、どうも当たっているように感じられます。
ーーー記事の要点:ーーーー
株式市場を通じたお金の流れをもっと活発にする必要がある。
個人が9月末に保有する金融資産は前年同期比6%増の1999兆8000億円となり、2000兆円の大台に迫った。新型コロナウイルス禍で傷んだ経済を立て直すために、個人のお金を成長に有効に回す仕組みを整えたい。
個人金融資産は現金・預金が全体の54%を占めるなど、貯蓄に偏る構図は変わっていない。その多くの部分は銀行などを経由し、国債などに流れている。
一方で、個人資産が市場を通じて企業の成長に十分に回っているとは言いがたい。「貯蓄から投資へ」のパイプを太くすれば、経済活性化の道も広がる。
現役世代を中心にインターネットを通じた株式投資や、少額投資非課税制度(NISA)の利用が広がってきたことは、心強い。この流れを後押しすれば、老後を意識した資産形成の道も広がっていくに違いない。
残念ながら、岸田政権の投資や市場に関する政策の方向性は、逆のように見える。
2022年度の税制改正大綱で、金融所得課税の強化は今後の検討課題とされた。14日の衆院予算委員会で岸田文雄首相は企業が株主に利益を還元する自社株買いについて、規制とも解釈できる「ガイドライン」に言及した。投資家は警戒を強めており、日本の株価が米欧に比べ下落しやすい一因になっている。
企業に目を転じても、資金循環統計の民間非金融法人の現預金は321兆円と、全体の約4分の1を占める。蓄えが銀行経由で国債に向かう構図は、個人の場合と同じだ。自社株買いが規制されるようなことになれば、預金への偏在が進むのではないか。――
政府はコロナ後の経済再開の道筋をきちんと示し、規制改革を進めることにより、資金が脱炭素化やデジタル化といった成長分野に回るよう努めるべきだ。
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