眼底にみられる病像についてはその病態として病態として、出血。白斑、浮腫。血管の変化、姿縮・変性などがあります。
このうちの網膜出血について説明します。(現代の眼科学 所敬、金井淳 を参考に)
原因:高血圧。動脈硬化。糖尿病、外傷などのほか,若年者ではイールス病,血液疾患などが多い。新生児の10~30%には網膜出血をみるとされる。
出血の存在する層の深さにより次のごとく分けられる。それぞれ深さに応じて特徴的な出血の形態を示す(図)。
- 期膜前出血(図1)
網膜内境界膜と硝子体との間に貯留した出血で,黄斑部に多く,円板状で網膜血管を覆い、やがて上縁が水平となる。
- 網膜表層出血
神経線維層の表層の出血で,放射状乳頭周囲毛細血管(RPC)からの出血である。神経線維の走行に従って(視神経)乳頭に向かって放射状に線状、火炎状(図2)の形をとる。
(Ⅲ)網膜深層出血
外網状層から内顆粒層にかけて存在する血管からの出血で、点状、斑状、しみ状(図3)で暗赤色を呈する。
(ⅳ)網膜下出血(図4)
視細胞層と網膜色素上皮層の間の暗赤色長の出血である。椅子く広がり、丸い縁取りを見る。
(ⅴ)網膜色素上皮下血種(図5)=出血性色素上皮剥離
脈絡膜からブルッフ幕を超えて網膜色素上皮下に侵入した新生血管の破綻による出血である。網膜は隆起し、暗赤色で遠景である。しばしば網膜下、網膜内、更に硝子体出血へと進行する。
(ⅵ)脈絡膜出血(図6)
暗赤色平板状の出血である。
「ⅶ」その他
白血病、貧血、敗血症の場合、中心が黄白色になった出血を見る。これをロート斑(図7)という。網膜から硝子体に出血したものを硝子体出血(図8)という。
図:諸種の眼底出血の形態
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