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[No.2037] 米国Registered Nurse,看護師の「働く」を考える:医学界新聞記事紹介

清澤のコメント:殊に眼科のように専門性や特殊性の強い診療科では、2-3年眼科の医師が看護婦を教育して眼科のことがわかるように育ったところで、病院の看護部の判断で他科に配置転換されるのを見たことは確かにありました。

 この(⇒元記事にリンク)記事は、米国のRegistered Nurse(登録看護師)の働き方と専門性を日本の看護師の視点から考察している。米国では、看護師の数の2~5%が派遣看護師であり、その中には「Travel Nurse」と呼ばれる、専門性を武器に高賃金を得る看護師も2-5%いる。これに対して、日本では法的規制により看護師の派遣がほとんど禁じられています。また、米国のRNは高い誠実さと倫理規範を持ち合わせた職業であると認識されています。これらの違いを踏まえ、日本の看護師が自身の能力を伸ばすためにはどうすべきかについて議論されています。具体的には、雇用スタイルや勤務シフトの在り方などが専門性の獲得を阻害していると指摘されています。この問題を解決するためには、看護師自身が社会的な責任を果たす意識を持つことが重要であると結論づけられています。

清澤注:

Registered Nurse:米国のRegistered Nurse(登録看護師)は、看護学の学士号を取得し、国家試験に合格した看護師のことを指す。彼らは患者のケアを提供し、医療チームの一員として働く。また、教育、研究、管理などの役割も果たす。彼らは専門的な知識と技術を持ち、患者の健康状態の評価や治療計画の作成に貢献する。また、高い誠実さと倫理規範を持つと認識されている。

Travel Nurse: 米国のTravel Nurse(トラベルナース)は、一定期間(通常は13週間)限定で全国各地の医療施設で働く登録看護師のことを指す。彼らは看護師不足が問題となっている地域や、特定の季節(例えばインフルエンザの季節)に看護師が必要となる場所で働く。トラベルナースは高い給与を得ることができ、また全国を旅しながら働くことができるため、多くの看護師にとって魅力的な選択肢となっている。彼らは専門的なスキルと経験を活かして、一時的に看護師が不足している医療現場で貢献する。

米国のジョブ型採用と日本のメンバーシップ採用を比較説明:

米国の看護師の採用は主にジョブ型採用が主流で、日本の看護師採用はメンバーシップ型採用が一般的です12ジョブ型採用では、組織にとって必要な仕事=ポジションが存在し、そこにフィットする人材を雇います1。この雇用形態では、本人が望まない限り配置転換は行われません1。専門性の獲得と報酬がわかりやすくリンクしており、ポジションに応じた報酬を約束された状態で新たな役割として雇用されます1。一方、メンバーシップ型採用では、看護部で雇用した人材を組織のニーズに合わせて配置していきます1。例えば、循環器科に一定期間勤めて専門性を高め、認定も取得したような看護師が他科への異動を言い渡され、それまでに培った専門性を生かせなくなってしまうといった事態が頻発します1。この雇用スタイルは専門性の報酬への反映が難しく、モチベーションの低下につながっていると考えられます1。これらの違いから、米国では看護師が自身の専門性を高める環境が整っています。一方、日本では看護師の専門性獲得を阻む要素が存在すると言えます12

 

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