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[No.221] 東京23区x格差と階級:橋本健二著 紹介です

清澤のコメント:今まで診療所を開いていた①江東区新砂(最寄り駅は東西線南砂町駅)、今回診療所を開いた②目黒区自由が丘(最寄り駅は東急東横線自由が丘)、そして自宅のある③杉並区高円寺(最寄り駅は中央線高円寺駅)、それぞれに特徴があり、何れも愛おしい街です。

中公新書ラクレに上記の本がありましたので拾い読みして見ました。

https://news.infoseek.co.jp/article/president_50089/

序章に曰く: 人々の間には、様々な格差や差異がある。格差や差異が一時的なものだとしたら、人々は一直線上に序列づけられるだろう。然し一元的とは限らない。プルデューによると、格差や差異には少なくとも2つの次元がある。それは、経済資本と文化資本である。経済資本は物質的なとみのこと、そして文化資本は、文化の素養や脂質、学歴等の視覚などの事である。2つの次元が有れば、人々は一直線上に序列づけられるのではなく、平面上に位置づけられることになる。プルデューは、人々が位置づけられるこの平面の事を社会空間と呼んだ。

第4章からの抜粋(と追記):

4・4:台東区・墨田区・江東区:台東区・墨田区は江戸時代から続く最も下町らしい地域で、古くから旧中間層が多いが、新しい住民との好ましい変貌も遂げつつある。江東区はマニュアル職に従事する古い都営住宅がある一方、湾岸エリアには高層マンションエリアが増え、変化が大きい。

4・6:渋谷区・目黒区:(15万平米と狭い。)ほぼ全域が山の手台地にあり、都心3区に続いて所得水準が高い。渋谷区の一部に高層マンションがある一方、全体に低層住宅が多い。都心に近いエリアで再開発が進む一方、貧困地域も残る。富裕層向けの商業施設に純化されることなく、多様性を確保した空間を維持している。

4・7:杉並区・世田谷区:(東京23区の西端。杉並区は57.4万人。関東大震災後に住宅地になった地域。区制は1932年。)現代的な意味での山の手住宅地の典型。世田谷区には専門職・管理職に従事する経済資本に徳化した区民が多く、杉並区はより専門職に特化した文化資本の比率が高い区民が多い。経堂、松陰神社前、三軒茶屋、高円寺、阿佐ヶ谷など山の手の中の下町と言った趣のある地域もある。

注:専門職と管理職(=資本家階級と新中間階級)、マニュアル職(主に手足を動かして行う仕事。)

 

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