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[No.1026] 「静嘉堂@丸の内」という美術館ができました。

 三菱の二代社長、岩崎彌之助と四代社長、岩崎小彌太の父子二代が蒐集したコレクションである日中の美術品を集めた静嘉堂が世田谷岡本から丸の内に移転して「静嘉堂@丸の内」という美術館になりました。ネットで切符を買い、早速見に行ってきました。このビルは戦後GHQとして使われたビルです。

 4室に分かれた展示でしたが、見るべきものの1つはこの曜変天目。窯の中で一部が還元されて青みを帯びた小さく丸い斑点でおおわれています。乳母であった春日局が薬を服するためにということで、徳川3代将軍家光が稲葉家に下賜し、代々稲場家が所持したので稲葉天目というのだそうです。照明も真上から特殊な平行光線で照らされていました。

もう一つ注目されたのは俵屋宗達の源氏物語の屏風です。説明を聞きながら見るとよく理解できました。

   ーーー作品の説明から引用ーーーー

国宝 曜変天目(「稲葉天目」) - 建窯 南宋時代(12~13世紀)

「曜変」とは、元来「窯変」を意味した言葉とされ、文献で「星」または「輝く」を意味する「曜」の字が当てられるようになるのは、15世紀前半頃からである。室町時代の文献『君台観左右帳記』において、「曜変」は、唐物茶碗「土之物」(陶製の茶碗)のうち、もっとも貴重で高価な茶碗として、分類格付けされてきた。福建省建窯の焼成品で、これは偶然の所産と見られている。
静嘉堂文庫美術館所蔵の曜変天目(茶碗)は、もと徳川将軍家所蔵であったものが、三代将軍・家光の時代、春日局を経て、後に淀藩主となる稲葉家へ伝えられたとされる。今日、世界中で現存する曜変天目(完形品)は、日本にある三碗のみ、京都・大徳寺龍光院、大阪・藤田美術館所蔵の各一碗と本碗で、すべてが国宝に指定されている。とのこと:

国宝 俵屋宗達筆 源氏物語関屋澪標図屏風 - 紙本金地著色 六曲一双 [上:関屋図 下:澪標図]  江戸時代(17世紀)

俵屋宗達(生没年未詳)は、慶長~寛永期(1596~1644)の京都で活躍した絵師で、尾形光琳、酒井抱一へと続く琳派の祖として知られる。宗達は京都の富裕な上層町衆や公家に支持され、当時の古典復興の気運の中で、優雅な王朝時代の美意識を見事によみがえらせていった。『源氏物語』第十四帖「澪標(みおつくし)」と第十六帖「関屋」を題材とした本作は、宗達の作品中、国宝に指定される3点のうちの1つ。直線と曲線を見事に使いわけた大胆な画面構成、緑と白を主調とした巧みな色づかい、古絵巻の図様からの引用など、宗達画の魅力を存分に伝える傑作である。
寛永8年(1631)に京都の名刹・醍醐寺に納められたと考えられ、明治29年(1896)頃、岩﨑彌之助による寄進の返礼として、同寺より岩﨑家に贈られたものである。:とのこと。

 

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