一昨日の日刊ゲンダイの記事に対する多くのコメントの中に、梅毒の治療法、予防法を聞きたいというものが多数見られました。担当の記者さんに聞くと梅毒の治療薬にゲームチェンジャーが出て、大きく方針が変わっているそうです。記事を抄出します。
ーーーー記事抄出ーーーー
2022年1月発売開始の新梅毒治療薬「ステルイズ」とはどんな薬なのか
梅毒患者の急増で注目されているのが、今年1月に発売開始された、長時間作用型のペニシリン製剤「ステルイズ」(一般名ベンジルペニシリンベンザチン水和物)だ。日本性感染症学会は発売後、「性感染症診断・治療ガイドライン2022」を追加改定し、神経梅毒を除く活動性梅毒の第一選択薬としている。「プライベートケアクリニック東京」の尾上泰彦院長に話を聞いた。
「この薬は海外では70年近く前から使われ、梅毒治療の標準治療薬として用いられており、有効性や安全性は確立していると考えられています。日本では長くペニシリン系抗菌薬の内服剤が使われてきましたが、梅毒の増加傾向に伴い、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の検討を経て、厚労省が製薬会社に開発を要請。梅毒の治療薬として承認された筋肉注射薬です。最大の特徴は早期梅毒(感染から1年未満の活動性梅毒)の場合は1回で治療が完結すること。そのため、これまでのように治療途中で梅毒患者が音信不通になり、治療が中断することがなく、感染を広げるリスクが低下することが期待されています」
この薬の添付文書によると、13歳以上の早期梅毒は1回、後期梅毒(感染から1年以上経過した活動性梅毒)は週1回、計3回筋肉内に注射する。2歳以上13歳未満でも同様の回数行うが、年齢、体重により量を減らす。2歳未満の早期先天梅毒や早期梅毒に対しては体重1キロ当たり成人の48分の1の量を1回注射する。
副作用としてはショック、アナフィラキシー、偽膜性大腸炎、中毒性表皮壊死融解症、間質性腎炎、急性腎障害、溶血性貧血、過敏症、心血管障害などが報告されている。
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