清澤のコメント:何処にでも変わった患者さんと家族は居るものですが、その対応は確かに一人で往診中ということになりますと難しい場合もありそうです。今後の続報に注目ということで行きましょう。
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在宅医療、医師4割が「身の危険」 埼玉・患者遺族宅の立てこもりで浮き彫り
在宅医療の従事者が、患者や家族とのトラブルに見舞われる。そんな事態が相次いでいる。今年1月、埼玉県ふじみ野市の民家で、在宅医療に携わる医師が殺害される立てこもり事件が発生した。密室になることも多い在宅医療や介護の現場が抱えるリスクが、改めて浮き彫りになった。
事件を受け、全国在宅療養支援医協会(東京都千代田区)が2月にアンケートを実施した。回答した医師の4割が、少なくとも一度は現場で身の危険を感じたという。17%が毎年か数年に1度、23%がごくまれに経験すると答えた。
アンケートは150人が回答した。身の危険を感じた例57件のうち、恐怖を感じる「脅しや暴言」が17件あったほか、「ハサミや刃物による脅しや危険行為」が10件、「長時間患者宅に軟禁」が5件もあった。
理不尽な要求やクレームも少なくない。122人が経験し、「夫を生き返らせて欲しい」「120歳まで生きるはずだったのにお前に殺された」などと言われることもあった。
埼玉県は在宅医療や介護に携わる医師らの安全を守るため、9月補正予算で約2億円を盛り込んだ。
対策として考えられるのは、患者や利用者宅に複数人で訪問することだ。複数人であれば、身を守ったり、抑止になったりするためだ。
現在でも、訪問看護や介護の現場で患者や利用者から暴力行為があれば、2人目以降のスタッフにも診療報酬や介護報酬が加算される。ただ、この加算には本人や家族の同意が必要で、実際は「暴力行為に及ぶ利用者は同意せず、報酬が発生しないケースも多い」(県担当者)という。
■最後のとりで、「自分が診るしか」
ただ、「根本的な解決策を見つけるのは難しい」とも感じる。
島田医師によると、医師も患者宅に1人で訪れることが多いという。そのため、暴力行為があって複数での訪問に切り替えると、「患者が医療側から警戒されていると感じ、信頼関係を壊してしまうかもしれないと葛藤がある」と語る。
在宅医療は患者にとって、最後のとりでとなることもある。それだけに、島田医師は「診療をやめたくても、代わりの医師が見つからない可能性を考えると『自分が診るしかない』となってしまう」と話している。(西田有里)
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