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[No.1400] 子どもの事故は親が悪いのか?:新聞記事紹介

清澤のコメント:藤原一枝先生から先日の江東区の記事と同じ件を扱った新聞記事を紹介されました。ご覧ください。事故の原因を親に擦り付けても今後の発生は防げないというラインで考えたいものです。医療者が児童相談所に通報すれば、その先は児童虐待を疑った対応に自動的につながります。主治医が、本当にそのような児童相談所の対応を期待しないケースでは、あえて通報しない方が当事者には幸せな事も有りそうです。

   ーーー記事引用ーーーー

子どもの事故 親が悪い? 2023/02/05 05:00 (2月5日 読売新聞 大阪版の朝刊です。

 https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/feature/iwasetekikasete/20230204-OYTAT50040/

 子どもは日々成長し、できることが増えていきます。親にとってはうれしいことですが、思わぬ事故のリスクも高まります。

 東京都江東区の麻美さん(42)(仮名)は昨年、生後10か月だった三男が重傷を負う事故を経験しました。このことが原因で、約1か月間、三男と離ればなれの生活を余儀なくされたそうです。

 「同じような思いをする人が出ないように」と、つらい体験を話してくれました。

三男とおもちゃで遊ぶ麻美さん。「同じカートには今も乗せることができない」と話す(東京都江東区で)
三男とおもちゃで遊ぶ麻美さん。「同じカートには今も乗せることができない」と話す(東京都江東区で)

 事故は昨年8月、ショッピングセンターのフードコートで起きました。

 麻美さんは、レジで精算している間、三男を乳児用のショッピングカートに乗せ、4歳だった長女と一緒にテーブルで待たせていました。カートは、かごを入れるスペースの上に座席があるタイプ。三男はつかまり立ちができるようになったばかりで、カート横のテーブルで遊んでいた長女の方をのぞき込もうとした際、バランスを崩し、後頭部から転落したようです。

 病院に連れて行くと、頭蓋骨の骨折が見つかりました。頭のけがは命に関わります。病院から連絡を受けた都の児童相談所は虐待の疑いがあるとして、三男を一時保護しました。その後、店内の防犯カメラ映像で転落の様子が確認され、疑いは晴れましたが、1か月間、三男とはほとんど会うことができませんでした。

 麻美さんは、三男に大けがをさせてしまった後悔と、もう一緒に暮らせなくなるのではという不安で、眠れない日々を過ごしました。幸い、後遺症は見られませんが、「もし打ち所が悪かったら」と、今も不安に襲われるそうです。

 麻美さんはカートを使い慣れており、腰回りを固定するベルトもしっかりと締めていました。目を離したのはほんの数分でした。

 「子どもの成長は早く、思いもよらない行動を取ることがある。そのことを絶対に忘れてはいけないと改めて思いました」と話していました。

 子どもの事故がニュースになるたび、「親は何をしていたのか」と非難する声が上がります。我が子に起きれば、麻美さんのように自分を責める人も多いでしょう。

 もちろん親の役割は重要です。しかし、常に注意し続けることはできません。私も3人の子どもを育てる父親ですが、これまで何度ヒヤッとしたことかわかりません。

 子どもの安全対策に詳しい東京工業大の西田佳史教授(安全工学)は「親の責任を追及するだけでは、事故を防げない。人の力に頼らなくても事故を防げる仕組みが大切だ」と指摘します。

 消費者庁は子どもの事故について、ホームページなどで注意を呼びかけ、製品や設備の改善を促しています。しかし、死亡事故と違い、負傷事故については全体を把握する仕組みがなく、西田教授は「社会で情報共有をもっと進め、原因を分析した上で、メーカーに働きかけるなど具体的な防止策を講じていくことが必要だ」と訴えます。

 防げる事故で子どもや家族が傷つかないよう、社会で子どもを守る取り組みが進むことを願っています。

 【今回の担当は】増田尚浩(ますだ・たかひろ) 司法分野の取材の統括役。児童相談所の一時保護のあり方に関する記事を書いてきた。38歳。

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〒530・8551(住所不要)読売新聞大阪本社社会部「言わせて」係

●メール  iwasete@yomiuri.com

先日の記事:

注意!乳幼児カート転落

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