清澤のコメント;
◎ 今から50年前、私は受験生、そして私の父は地方都市で「卵屋」を営んでおりました。店頭販売はわずかで、八百屋、小さなスーパーマーケット、それにベビーカステラなどの駄菓子を作る町工場に鶏卵を卸しておりました。父は毎晩、通常の昼の業務が終わってから、東京の市場から仕入れた規格外の鶏卵を検査し、この動画に出てくるような液卵に加工していました。脱水機のような専用の液卵製造機があって、一斗缶の中にビニール袋を敷き、絞った液卵を入れて急速冷凍室に入れます。倉庫には大型コンプレッサーのついた冷凍室も3室ありました。夕食後、父は野球のナイター放送を聞きながら黙々とこの検卵作業を続けており、その後姿を見ながら私は育ちました。夜の9時ころになると、毎日この常温の液卵で満たされた一斗缶を30個程度、冷凍室に運び込むのを手伝うのが当時受験生であった私の手伝い仕事でした。
◎ 鶏卵と聞くと今でも私はビビっと反応してしまいます。例年は年末にかけて鶏卵価格は高く、新年以降その価格は窓を開けて不連続に下がるものでした。ですから毎日一定量産まれる鶏卵ですが、「年を超えて持つ現物の鶏卵は最小にする」というのが鶏卵流通業界の常識でした。昨年来の穀物価格高騰と鳥インフルエンザで養鶏場の鶏が急に減ったのが今回の鶏卵価格高騰の原因のようです。2023年は飼料穀物が高くなっても卵価は上がらないという常識が通じない年になっているのでしょう。これは、これからの日本を襲う一層の物価高騰の先駆けのような気がいたします。
ーーーテレビ番組の内容抜粋ーーーー
動画をご覧ください。→
https://news.yahoo.co.jp/articles/e1f945114641eeedd08ae2d0f20bbf7a01651083
卵不足で日々“争奪戦” 1日3万個必要…老舗玉子焼き店が悲鳴「“自転車操業”状態」
物価の高騰に鳥インフルエンザが追い打ちをかけ、卵価格の高騰と不足が深刻化しています。都内のスーパーでは、弁当の玉子を減らしたり、かつ丼の販売を休止する事態になっています。 創業68年を迎える老舗玉子焼き店に密着。一日3万個の卵を必要とするため、問屋に電話を掛け続ける毎日。少ない卵を奪い合う卵の“争奪戦”が繰り広げられていました。 そんななか、代表は厚焼き玉子の追加発注をキャンセルするかと思いきや、まさかの受注。一体、なぜでしょうか? そして、やっと確保できたのは殻付きの卵。しかし、ホッとしたのも束の間、気の遠くなるような作業が待ち受けていました。
■物価高騰に…“鳥インフル”が追い打ち 先月(2月)27日、都内のスーパーをのぞいてみると、卵の価格は1パック259円。去年に比べて80円ほど値上がりしているといいます。
茨城県にある養鶏場に話を聞きました。 ホウトク農場・豊村三弘専務:「元々、飼料代をはじめ、光熱費、人件費とかが高騰していることもあって、値上がりしつつはあった」 生産コストがかさみ値上げせざるを得ない状況に。そこに追い打ちをかけたのが…。 豊村専務:「決定的に今回の鳥インフルエンザで卵が不足して値上がりしている」 「鳥インフルエンザ」が猛威を振るい、全国のニワトリの1割、およそ1480万羽が殺処分の対象になりました。 卵を産むニワトリの数が減り、日本中が卵不足に陥っているのです。その結果…。 豊村専務:「『卵ないですか?』という声は結構いただきますね。既存のお客様をもちろん優先して注文応えて、タイミングでちょっと余剰が出れば対応できるかなという感じですね」 卵を求める悲痛な電話が急増、争奪戦の様相を呈しているといいます。卵不足によって起きている争奪戦。日々「卵の確保」に奔走している現場は?
■毎日“3万個”必要も…“自転車操業” 都内で厚焼き玉子などの製造を手掛ける「玉栄」。創業68年を迎える老舗です。 フワフワながらも食べ応えのある「厚焼玉子」。主にスーパーや飲食店に販売しています。 代表の村山拓也さんに工場内を案内してもらいました。 村山代表:「1回に110キロ(の卵)に出汁(だし)を入れて、これ1回分で大体250本くらいできる」 1本当たり8個の卵を使い、4000本ほど製造するため、毎日およそ3万個の卵が必要です。しかし現在、卵の仕入れ量が3分の1にまで減少。厚焼き玉子の出荷制限をかけている状況です。 使用しているのは「液卵」と呼ばれる、卵の殻を割り、中身だけを集めたもの。卵を割る手間がかからず、加工品に向いています。 倉庫の在庫を見せてもらいました。 村山代表:「全部液卵です。あしたには、おそらくなくなる」まさに“自転車操業”です。
■ひなまつりで需要増 “厚焼き玉子30本”注文が… では、卵不足の中、どのように確保しているのでしょうか?常に一日10件くらいは(仕入れ先に)連絡しながら、状況確認やちょっと分けてもらえませんかという話を」 普段の仕入れ先に卵の余剰在庫がないか、毎日電話しているといいます。 ひな祭りシーズンの今、卵製品の需要が高く、納品先から30本の追加注文を受けた村山さん。 村山代表:「(発注は)ありがたい話ですよ、本当に。めちゃくちゃ私たちにとってありがたいこと」 卵の確保が難航するなか、果たして納品できるのでしょうか?
■確保も悲鳴…殻付き卵“1万8000個”を割る作業 村山代表:「きょうは養鶏場に卵を取りに。出せるという所があったので、取りに行きます」 翌朝、社員とともに千葉へ向かう村山さん。かつての仕入れ先である養鶏場から、卵をもらえるという話がありました。それでもなお、十分な仕入れ量とは言えません。 ,,もし可能でしたら、今週あと500キロだけ」 何とか、1万8000個の卵を確保することができました。 村山代表:「一般家庭には出回らない、こういうSS玉(極小玉)です。中身も小さいので」 小さめとはいえ、今の村山さんにとって、喉から手が出るほど探し求めていた卵です。 しかし、ほっとしたのも束の間、液卵ではなく殻付きの卵のため、この後、気が遠くなる作業が…。 村山代表:「1万8000個を、何人で何時間で割れるかという感じ。それで何とか(しのぐ)。本当は液卵で買えればいいんですけど、液卵が全然足りていないので」 殻付きの卵は、人の手で割る分、時間や人件費もかかるのです。それでも…。 村山代表:「殻付き卵も手に入れるの大変です。色んなところでお願いして何とか入れてもらっている状況。ありがたいです、本当に」 卵を入手したことで、ひな祭りまでのめどは付きました。 仕入れに奔走し、先の見えない日々。,,ここを乗り切れれば、もっと明るい先もあると思いますし。これを経験できたことは、絶対この先、生きてくると思う」
テレビ朝日
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