報道1930の中で海外のヘッジファンドが円売りで利益を30億円上げているという話に続く部分です。確かに1000億円のファンド資産、350億円の投資に対して33億円の利益ならば10%ですから、まだ大した利益ではありません。この先の部分で元日銀の理事であったこの方は、日本人自身が円を売り始めれば、ハイパーインフレは早くやってくるという部分が耳に残りました。最近は日本の個人投資家も配当性向の低い日本株を買わず、米株を買っているとも聞きます。あえてFXで円を売るという意識でなくても、ニューヨークの米株を買うとすれば、その金額の円が売られてドルにされた上で米株を買っているわけですから、その動きは大きなものになるかもしれません.良ければこの動画をはじめからご覧ください。
ネット記事から肝心な部分を抽出:
EDLキャピタルCIO エドゥアール・ドラングラード氏
「円安は170円まで行くかもしれません。そこで私は円売りを増やしました。これまで350億円分くらいの円をドルに換えてきましたが、今は490億円分の円をドルに換えました。(中略)
もし日米の金利差が4%か5%になれば、日本人も皆、円を売ってドルを買うでしょう。そうすればドルは上昇を続け、円は下落し続けます。ここまで有利な取引は人生でも滅多にありません。(中略)日銀が長期金利を抑え続けていると、インフレは手が付けられなくなり、日本は一晩でハイパーインフレになる可能性があります。日本人はこの政策によって貧しくなるでしょう」
ぞっとするような話だが、元日銀理事はさほどあわてなかった。
元日本銀行理事 早川英男氏
「言ってることに正しい面もある。確かに長期金利を動かさないと、その分だけ金利差が為替に出る。日本が、びた一文動かさないと言ってるから為替変動が大きい。今そうなっている。だから少し動かしてあげれば為替はそんなに動かない。そこの部分は正しい。ただ彼は極端すぎる。私も140円くらいにはなると言っていた。だからまぁ予想の範囲内。こう言っちゃなんですけど、ヘッジファンドで33億円ぽっちしか儲かってないんだ、っていうのが私たちの感じです」
と、鼻で笑った早川氏が、まじめな表情になって、本当の不安を語った。
■「恐れるべきは、日本人が円を売る時」
元日本銀行理事 早川英男氏
「いちばん怖いのは、近い将来にあるとは考えていないんですが、恐れるべきは日本人が円を売る時、これが一番怖い。日本人が財産を外貨に換える、これが怖い。本当に激しい円安が起こり、インフレになります。もし日本人が円から逃げたら、ドラングラードさんが言うように170円も超え、ハイパーインフレになりますよ。でも近い将来にそうなるとは思っていません。
(中略)南米なんかは自国民が自国通貨を売ったからハイパーインフレになったが、日本はまだそこまではいかない。でもちょっとだけ気になっているのは、NISAなんかで日本株買う人少ないでしょ。米株買ってるんですよ。こういうのが広がって、どっかでキャピタルフライト(資本逃避)が起こったら怖いなって・・・」
経済評論家の加谷珪一氏は、ヘッジファンドが言うことは、市場で自らに利益が出ることを望んで発言する“ポジショントーク”の側面が強いとした上で言う。
経済評論家 加谷珪一氏
「アメリカは金利を上げる、つまりドルを回収する。出回るお金を少なくする。日本は金利をゼロにしてお金を大量にばらまくという政策。当然出回る量が多い日本円の価値は下がり、ドルの価値が上がるというのは事実です。ですから、この状態が進めば、マーケットの反応次第ではもの凄く円安が進む可能性はあります」
通常円安であれば輸出産業にとっては書き入れ時となり、昔のように貿易黒字が見込めたが、高値で推移するエネルギーを輸入しなければならない日本にとっては経常赤字を招きかねない。ところが、この円安基調が意外なビジネスチャンスを生んでいた。
注:キャピタルフライト
2021 年 2 月 8 日
キャピタルフライトとは?
資本逃避とは、政治的または経済的不安定、通貨の切り下げ、または資本規制の実施などの出来事により、国から金融資産および資本 が大規模に流出することです。資本逃避は、外国人投資家が資本を自国に本国に送還する場合のように合法である場合もあれば、国外への資産の移転を制限する資本規制のある経済で発生する場合のように違法である場合もあります。資本逃避は、資本の不足が経済成長を妨げるため、貧しい国に深刻な負担を課す可能性がある生活水準の低下につながる可能性があります。逆説的に言えば、透明性と開放性がそのような経済の長期的な見通しに対する投資家の信頼を向上させるため、最も開放的な経済は資本逃避の影響を最も受けにくい。
キャピタルフライトを理解する
「キャピタルフライト」という用語には、多くの状況が含まれます。それは、ある国、地域全体、または同様のファンダメンタルズを持つ国のグループからの資本流出を指す場合があります。それは、国固有のイベントによって、または投資家の選好に大規模な変化を引き起こすマクロ経済の発展によって引き起こされる可能性があります。また、短命または数十年続くこともあります。
外国人投資家は、資産の価値が大幅に失われる前にそのような国から逃げるため、通貨の切り下げは、大規模かつ合法的な資本逃避の引き金となることがよくあります。この現象は 1997 年のアジア危機で明らかでしたが、通貨が安定し、経済成長が再開されると、外国人投資家はすぐにこれらの国に戻ってきました。
コメント