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[No.81] クラビットやガチフロ点眼液に抵抗性がある細菌が出た結膜炎に使えるセフェム系抗生物質のベストロン点眼液とは

清澤のコメント:大概の細菌性結膜炎には、クラビットやガチフロが効くのですが、それが薬剤の体制検査で無効と判断された場合に選びやすいのがベストロンです。その解説をしてみましょう。
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クラビットやガチフロ点眼液に抵抗性がある細菌が出た結膜炎に対して、よく使われることが有る点眼液がセフェム系抗生物質のベストロン点眼液です。自分で溶解して使わなければならず、また溶解後の有効期間が1週間と短いので、ファーストチョイスにはしにくいのですが、いざという時には頼れる目薬です。

  • 本剤1バイアルを添付の溶解液5mLで溶解し、通常、1回1〜2滴を1日4回点眼しますが、症状により適宜回数が増減されます。必ず指示された使用方法に従ってください。
  • 粉末瓶の矢印(↑)の部分から親指で強く押し上げてください。溶解液瓶の白い大キャップをまわしてとりはずし、液がこぼれないように開封した粉末瓶にしっかり差し込み、よく振って粉末を完全に溶かしてください。溶解液瓶の方に薬液を移した後、粉末瓶をとりはずし、大キャップをし、固くしめてください。
  • 点眼前に石けんで手をきれいに洗ってください。次にピンク色の小キャップだけをはずし、容器の先端が直接目にふれないように点眼してください。点眼後はしばらく目を閉じ、まばたきをしないでください。あふれた液はガーゼやティッシュなどでふき取ってください。他の目薬も使う場合は、5分以上の間隔をあけて点眼してください。
  • 点眼し忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く点眼してください。ただし、次に点眼する時間が近い場合は点眼しないで、次の点眼時間に1回分を点眼してください。2回分を一度に点眼してはいけません。
  • 誤って多く使った場合は医師または薬剤師に相談してください。
  • 医師の指示なしに、自分の判断で使うのを止めないでください。
  • 禁忌:本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

原則禁忌:次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること。セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

<適応菌種>セフメノキシムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)、セラチア・マルセスセンス、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、緑膿菌、アクネ菌

<適応症>

眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法

用法用量

本剤を添付の溶解液で1mL当たりセフメノキシム塩酸塩として5mg(力価)の濃度に溶解し、通常1回1〜2滴を1日4回点眼する。
なお、症状により適宜回数を増減する。

※溶解方法に注意

用法用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。

使用上の注意

重要な基本的注意:ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。

本剤の使用にあたっては、4週間の投与を目安とす

副作用:副作用発現状況の概要:主な副作用は、刺激感19件(0.32%)、そう痒感10件(0.17%)、結膜充血6件(0.10%)であった。

重大な副作用:ショック(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

薬効薬理

抗菌作用:グラム陰性・グラム陽性の好気性菌及び嫌気性菌に対する抗菌作用

作用機序:作用機序は、細菌細胞壁の合成阻害である。

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