自由が丘 清澤眼科について

[No.2407] 日本におけるオフィスベースの神経眼科診療所:論文請求を戴きました

リサーチゲートという医学論文のプラットフォームを介して、海外から私の10年前の随筆的文章の全文請求を戴きました。しかし、これは日本語の散文的な文章であり、英語の原文は存在しません。ちょうどよい機会ですから、その抄録を再度採録し、私のコメントを追記します。
  ーーー抄録ーーーー
日本におけるオフィスベースの神経眼科診療所

2013 年 1 月 日本神経眼科 30(2):145-151 清澤源弘

記事

日本におけるオフィスベースの神経眼科診療所 概要 オフィスを拠点とする個人開業医は、自分の診療に必要な器具や人員を購入する余裕がありますが、そのためには自分で資金を調達する必要があります。一般に、神経眼科疾患の患者と一般の眼科疾患の患者は分けて診察する必要があります。通常、神経眼科疾患のある患者さんは私自身が最初に診察し、血液データや神経画像が提供された後、神経眼科または神経内科の専門医に診断を依頼し、診断と予想される治療法について患者さんに説明します。まれな患者または予後不良の患者は、関連する大学病院の神経眼科または神経内科クリニックに紹介し、そうでない場合は患者さんの地元医師に送り返します。2012 年には、約 350 人の新規患者が私の神経眼科クリニックを訪れました。このうち約3割は東京都以外の関東地方からの紹介でした。昨年診察した全患者のうち、620人が眼瞼けいれんを患い、332人が片側顔面けいれんを患っていました。私は医療活動に加えて、神経眼科学の研究も続けています。大学院コースの若手メンバーは通常 4 年間で医学論文を完成させることが期待されており、研究グループの責任者は研究と論文がこの期間内に確実に完了するようにする責任があります。過去数年間に私たちの研究グループから多くの優れた出版物が出版され、私はグループのメンバー間の協力の成果に非常に満足しています。経験豊富な神経眼科医として、私はこの分野に新しく参入した若い人たちに、医学部卒業後6年間、神経眼科臨床の基礎技術と神経眼科の研究技術を学ぶことをお勧めします。眼科の博士号と眼科専門医の称号を取得することも推奨されます。海外での追加研修も有利です。帰国後は神経眼科のサブスペシャリティを取得できます。このトレーニング プロトコルにより、大学や病院で良い地位を獲得できるようになることが期待されます。しかし、市内の多忙な神経眼科クリニックを設立することが第一の目標ではなく、患者に最善の治療を提供することが第一の目標であるべきです。   ーー

ー追記コメントーーー

この評論のような記事を書いた2013年当時、私は現在よりも規模の大きな診療所を運営し、私よりも経験を積んだ一人の先輩神経眼科医(石川弘先生)と、数年ごとに交代で大学から派遣される若手神経内科医(浅見医師他)に週に一度ずつ診療所の外来に加わっていただいて神経眼科領域の診療を進めていました。緑内障(伊藤医師)、神経心理学(小野木陽子臨床心理士)、それに網膜硝子体(寺松医師)の専門外来も加えて、それなりに眼科全体をカバーできる診療所でした。一般眼科を見てくださる第2診療席の女性医師も交代で入っていただき、常に医師3名の体制で診療をしていました。  私が年を重ねたことも考え、このクリニックを他者に譲渡し、自分は目黒区自由が丘に小規模な診療所を開設してもらって2年半前からそこに移りました。ここは、元々コンタクトレンズ診療を中心に行っていた診療所の流れを汲む所です。先輩方の助言も受けつつ、トリアージュ的にここでできる範囲の診療を行い、必要な患者はより上位の診療機関に診療をお願いする日常です。  現在は、「自由が丘清澤眼科通信」に、目にし、また耳に聞く情報をなるべくわかりやすく表現することを日々心がけています。今月からは、従来から続けてきたこの自由が丘清澤眼科通信を基に、メールマガジン(メルマガ)も編集して発行を開始しました。対象は①(自分の診療所の患者さんを含む)一般市民の皆さん、②(全国の眼科医とその他の職種の)眼科医療関係者を半々に考えています。私の眼科医療に関する気づきや思いを少しでも感じていただけたらと思う次第です。

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