緑内障

[No.631] 中心性漿液性脈絡網膜症における緑内障の頻度:研究報告の紹介

清澤のコメント:中心性漿液性網脈絡膜症は開放隅角緑内障との合併というものはあるのだろうか?と考える症例を見ました。それを考えたらしい報告がありました。中心性漿液性網脈絡膜症をパキコロイドとしてとらえるならば、脈絡膜の鬱血状態が緑内障に影響を及ぼすという事もなくはないのかもしれません。ところが結果は逆で、中心性漿液性網脈絡膜症のほうが緑内障の合併率は低かったのだそうです。

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中心性漿液性脈絡網膜症における緑内障の頻度:症例対照研究

概要

目的: この研究の目的は、脈絡膜の厚さの増加に関連する状態である中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)の患者における緑内障の頻度と関連する状態を調査することでした。

方法: ケースコントロール研究が実施されました。2006年1月1日から2008年7月31日まで検査されたCSCの連続患者は、緑内障および関連する状態の頻度について、同じ期間に見られた同じ紹介診療からの性別および年齢を一致させた対照群と比較されました。緑内障の診断のために、症例と対照被験者のチャートをレビューした。

結果: CSCの287人の患者では、平均年齢は56.8歳で、207人(72.1%)が男性でした。235人の対照群では、平均年齢は59.5歳で、168人(71.5%)が男性でした。緑内障は、CSCの患者287人中10人(3.4%)および対照被験者235人中20人(8.5%、P = 0.014、オッズ比= 0.39、95%信頼区間= 0.16-0.89)で発見されました。平均眼圧は2つのグループで類似していた。ただし、高眼圧症と診断された患者数(0.3%対3.4%、P = 0.0076)および減圧点眼薬を使用した患者数(3.8%対13.2%、P<または=0.0001)は、対照群よりもCSC群で少ない。

結論: 緑内障および関連する状態は、対照群よりもCSC群の方が頻度が低いです。CSCの患者では、脈絡膜から視神経への血液供給の増加が一因となる可能性がありますが、眼圧の変動には除外できない違いがある可能性があります

Retina: 2010 Feb;30(2):267-70.

 doi: 10.1097/IAE.0b013e3181c2e0f4.

Frequency of glaucoma in central serous chorioretinopathy: a case-control study

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