眼瞼痙攣

[No.11] 片側顔面けいれん、(片側顔面けいれんHemifacial spasm)とは

清澤のコメント;2021年11月に開院する小さな「自由が丘 清澤眼科」では一般眼科診療に加えて、従来の南砂町清澤眼科医院と同様に片側顔面痙攣の診断と治療を続けようと考えています。そこで今日は片側顔面痙攣の知識をまとめてみます。
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片側顔面痙攣の解説をしましょう
片側顔面けいれんは、顔(顔面)の片側(半)の筋肉の頻繁な不随意収縮(けいれん)を特徴とする神経筋障害です。この障害は男性と女性の両方に発生しますが、中年または高齢の女性により頻繁に発症します。それはアジア系の人々で他の人種よりはるかに一般的だとされます。最初の症状は通常、まぶたの筋肉が断続的にけいれん(ぴくぴくと攣縮)することで、片眼の強制的な閉瞼につながる可能性があります。その後、けいれんが徐々に広がり、顔の下面の筋肉も巻き込まれ、口が片側に引っ張られる可能性があります。最終的に、けいれんは顔の片側のすべての筋肉をほぼ継続的に巻き込みます。この状態は、顔面神経の損傷または腫瘍によって引き起こされる場合もあれば、明らかな原因がない場合もあります。医師は稀にこの疾患で顔の両側にけいれんを起こしている人を診察することがあります。ほとんどの場合、片側顔面けいれんは、血管が脳幹を出る場所で顔面神経を圧迫することによって引き起こされます。その状態を判断する目的で、私はボトックス注射前に一度はMRI検査をお勧めします。

治療
顔面神経への小脳に向かう血管による圧迫を和らげる微小血管減圧術の形での外科的治療は、多くの場合、片側顔面けいれんを和らげる効果があります。この介入には術後の難聴発生という重大な潜在的な副作用が数パーセント程度あるため、副作用のリスクと痙攣解消というメリットのバランスを慎重に患者さんに判断させる必要があります。他の治療法には、患部顔面筋へのボツリヌス毒素の注射が含まれます。これは最も効果的な治療法であり、ほとんどの場合に使用される唯一の有効な治療法です。薬物療法は行われることもありますが、一般的かつ公式には効果的ではないとされています。瞬目の乱れに関連した強いドライアイが合併している場合には、ドライアイに対する治療も併用することが出来ます。

予後:
片側顔面けいれんのある人の予後は、治療とその反応によって異なります。一部の患者では、顔面の筋へのボトックス注射療法で、3から6か月程度は症状が比較的少なくできます。微小血管減圧手術(ジャネッタ手術とも呼ばれる)が必要な場合もあります。ほとんどの場合、許容できる残存症状を伴いながらバランスをとることができます。

注意:この疾患は疲れが原因で、「瞼の外下側が横向きにぴくぴくと動き、気にはなるが瞼を閉じるほどの障害はない」という症状を示す眼瞼ミオキミアとの区別が必要です。また、片側の顔面神経が麻痺して閉瞼が不十分になって眼表面を傷め、流涙もきたす顔面神経麻痺と区別する必要があります。また、顔面の左右半分に強い痛みを生ずる三叉神経痛とも別の疾患で、区別して対応しなくてはなりません。

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追伸:2021年10月30日には眼瞼痙攣、片側顔面けいれん友の会の総会がzoomで行われます。事前入会と参加登録が必要ですが、私も発言の用意をしています。この会では、近々のも私も作成に協力した「眼瞼痙攣と片側顔面けいれんに関する100項目以上の質疑応答例」を収載した実用的なパンフレットの発行も準備されています。未入会の方は入会もご検討ください。

注:ボトックス投与も含めた治療をご希望の方はあらかじめお電話でボトックス投与希望のご希望を医院までお伝えください。(自由が丘清澤眼科では、開院まじかの時期では、木曜午後と土曜日午前・午後(3時まで)での施注を想定しております。)

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